雹(ひょう)でお車が傷ついたら?自動車保険で補償されるケースと等級への影響も解説
2024年3月8日(2026年2月3日更新)
大粒の雹(ひょう)が降り、ケガをした、物が壊れた、といったニュースを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような自然災害でお車が傷ついたり壊れたりしたら、自動車保険で補償されるのでしょうか。今回は雹による損害を中心に、自動車保険で補償される自然災害による損害についてご紹介します。
雹によるお車の損害
雹により、お車に損傷が生じたり、事故に繋がったりすることがあります。
なお、雹とは、直径が5mm以上の氷の粒のことです。直径5mm未満の氷の粒は霰(あられ)と呼ばれます。
氷の粒は直径が大きいほど落下速度が速くなります。例えば、ゴルフボール大(直径5cm前後)のものは時速100㎞超の速度で落下するとされており、人や物に多大な損傷を与える危険があります。
傷やへこみが生じる、ガラスが割れる
雹により、お車に傷やへこみが生じることがあります。雹の粒が大きいときは落下速度も速いため、衝撃が大きく、ガラスが割れることや、ボディにへこみが生じることもあります。
スリップする
氷の粒が路面に広がると、パチンコ玉をまき散らした道路を走るような状態になり、お車がスリップする可能性があります。雪と比べると溶けるまでに時間がかかり、危険な状態が長引くことがあります。
また、ブレーキが利きにくくなることで衝突事故などが起こりやすくなるため、注意が必要です。
道路が冠水する
激しい雨を伴う雹によって葉や枝、ゴミが巻き込まれて、排水溝が詰まってしまうことがあります。排水溝が詰まって道路が冠水した場所を通行してしまうと、お車のエンジンが停止し、立ち往生してしまう可能性があるため注意が必要です。
あらかじめハザードマップなどで冠水しやすい道路を確認し、雹や大雨に備えるようにしておきましょう。
雹でお車に傷がついたら自動車保険は使える?
雹のような落下物との衝突が原因でお車が損害を受けた場合、加入している自動車保険に「車両保険」をつけていれば、補償を受けられることが一般的です。東京海上ダイレクトの自動車保険の場合、補償の範囲を限定しない「一般タイプ」と補償の範囲が限定され保険料が安くなる「限定タイプ」の2タイプがありますが、雹によるお車の損害はいずれのタイプでも補償されます。
支払われる保険金は、車両保険の保険金額を上限に、お車の修理費から免責金額(自己負担額)を差し引いた金額です。例えば、車両保険の保険金額が100万円、免責金額が5万円の契約で、修理費が50万円かかったとしたら、50万円から免責金額を差し引いた45万円を保険金として受け取れます。ただし、修理費が保険金額の100万円以上の場合には全損となり、免責金額を差し引かず、100万円を保険金として受け取れます。
雹で自動車保険を使うと等級はどうなる?
雹による被害で車両保険を使うと翌年の等級は1等級ダウンし、翌年の契約の「事故有係数適用期間」が1年加算されることが一般的です。したがって、一般的に翌年の保険料は高くなる傾向にあります。
【1等級ダウン事故の等級進行の例】
そのため、お車の修理費がそれほど高額でなければ、車両保険を使わずに全額自己負担で修理をしたほうがよい場合もあります。仮に修理費が8万円で免責金額(自己負担額)が5万円なら、差額の3万円が車両保険から支払われますが、保険を使うことで翌年の保険料が3万円以上高くなれば結果的にマイナスです。状況に応じて、車両保険を使うか全額自己負担で修理するか、保険会社と相談するなどして決めたほうがよいでしょう。当社では、実際に事故や被害にあった場合には、事故担当者が翌年以降の概算保険料を試算しご案内しています。
雹により車内の人や物に損害が生じたとき、自動車保険は使える?
雹や台風・ゲリラ豪雨の場合、お車に乗っている人のケガに対する補償はあるのでしょうか。例えば、降ってきた雹でフロントガラスが割れ、運転者が破片でケガをした場合などです。
この場合、「人身傷害」をつけていれば補償されるのが一般的です。
「人身傷害」は補償の対象となる方が自動車事故で死傷された場合に、過失の有無に関係なく、治療費、休業損害、精神的損害、逸失利益など実際の損害額に対して保険金を受け取れる補償です。
また、当社の自動車保険では、「車内身の回り品特約」を付帯することで、車両保険のお支払い対象となる雹や台風・ゲリラ豪雨によってお車に積んでいた物が損害を受けた場合に補償されます。雹や台風・ゲリラ豪雨以外でも、車内やトランクに積んでいた物や、キャリアに固定していた物が車両保険のお支払い対象となる事故によって破損してしまった場合には補償されます。補償される金額は1事故につき30万円限度です。カメラ、ゴルフクラブセットなど高額な物をお車に積む機会が多い方は、付帯しておくと安心です。ただし、通貨、有価証券、貴金属、宝石など、補償の対象外となる物もあります。
雹以外の自然災害による損害は車両保険で補償される?
自然災害の種類によって、車両保険で補償されるかどうかが異なります。補償される自然災害と補償されない自然災害に分けて解説します。
台風・ゲリラ豪雨などによるお車の損害は車両保険で補償される
自然災害には、雹以外にもさまざまなものがあります。台風・ゲリラ豪雨などが原因でお車が損害を受けた場合、補償されるのでしょうか。
具体的な例をあげてみましょう。
- 台風による大雨でお車が浸水し壊れた
- 台風による暴風で看板が飛んできてお車に傷がついた
- 台風による高潮が発生し、お車が流された
- 豪雨による土砂崩れに巻き込まれてお車が押し潰された
- 豪雨による洪水が発生し、お車が流された
台風・ゲリラ豪雨などが原因で発生した、これらのお車の損害は、雹による被害と同様、「車両保険」をつけていれば、「一般タイプ」「限定タイプ」のいずれのタイプでも補償されるのが一般的です。
地震・噴火・これらによる津波による損害は補償されない
一方、地震・噴火、これらによる津波を原因とする損害は補償されません。これらは台風・ゲリラ豪雨などと比較すると、一度に甚大な損害を発生させる可能性があり、発生頻度や損害規模の予測が困難なため、一般的な自動車保険では補償されません。なお、これらの損害を補償する特約を用意している保険会社もあります。
津波と同じく、海面が盛り上がり陸に押し寄せる現象に高潮がありますが、高潮は台風や低気圧によって起きるため、車両保険で補償されることが多いです。一方、津波は地震によって起きるため、一般的な車両保険では補償されません。
雹による損害からお車を守る方法
雹の粒の大きさや落下速度によっては、人がケガをすることがあります。まずはご自身の安全を確保するために、屋根のある場所に移動してください。
また、雹がお車に損害を与えるケースもあります。雹からお車を守る方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
屋内駐車場に移動する
雹がお車に傷をつけたり穴を開けたりする恐れがあります。雹が降りだしたら、すぐに周辺に屋内駐車場がないか調べ、速やかに移動してください。
ただし、慌てて移動すると、氷の粒でスリップする可能性があります。お車を傷つけないことも大切ですが、それ以上に事故を防ぐことが大切です。落ち着いて慎重に移動するようにしてください。
天気予報で「大気の状態が不安定」や「たつ巻などの激しい突風」という言葉が使われたり、雷注意報が発令されたりしていると、天気の急変により雹が降る可能性があります。場合によっては外出を控えることも検討しましょう。
厚手の毛布などでお車を覆う
周辺に屋内駐車場がないときや満車のときは、屋外で雹に耐えるため、応急処置が必要です。周辺に屋内駐車場がないときや満車のとき、屋外で雹に耐えるための応急処置として、衝撃を吸収できる毛布などの厚みのある布でお車を覆う方法があります。ご自宅の駐車場に屋根がない場合は、ご自宅の毛布や厚手の布を利用しましょう。
また、雹が激しく降っている最中は、屋外に出ること自体が危険です。ご自身の安全を最優先し、安全が確認できた際に、毛布等で車を覆うようにしてください。
道路の端に寄せて停車する
雹が降っている際は、まず安全な場所に停車することを最優先にしましょう。
そのまま運転を続けると、後続車に追突されたり、前方からのお車がスリップして事故に巻き込まれたりする恐れがあります。
屋内駐車場などの屋根のある場所に移動できない場合は、道路の端など安全な場所に車を寄せて停車し、天候が回復するまで車内で待機しましょう。
雹に備えて車両保険(補償内容)を確認しておこう
雹によるお車の損害に備えるためには、自動車保険とセットで車両保険に加入しておくことが大切です。車両保険に加入していれば、雹だけでなく台風やゲリラ豪雨、暴風などにも備えられます。
車両保険の保険料は、補償内容や保険会社によって異なります。すでに加入している方も、まだ加入していない方も、一度、自動車保険の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
当社の自動車保険は、ネット自動車保険ならではのリーズナブルな保険料が特長です。保険料は以下から見積もりが可能です。ぜひチェックしてみてください。
監修:竹国 弘城
1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。
資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)