自動車保険と自動車共済の違いは?選び方や乗り換え時の注意点も解説

2024年11月26日(2026年9月10日更新)

自動車保険と自動車共済はどちらも自動車の事故に備えるためのものです。しかし双方には違いがあり、例えば自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)は1~20等級に分かれていますが、一部の自動車共済では1~22等級に分かれています。
本記事では、自動車保険と自動車共済は何が違うのかについてわかりやすくまとめました。また、自動車保険・自動車共済間での乗り換え時の注意点についても説明します。

自動車保険と自動車共済の違い

自動車保険も自動車共済も、自動車の衝突や接触などの事故により生じた損害などを補償する商品です。

本記事では、保険会社が提供する任意加入の自動車保険(任意保険)を「自動車保険」、共済団体が提供する任意加入の自動車共済を「自動車共済」と表記し、両者の違いについて解説します。両者の主な違いは、以下の通りです。

自動車保険 自動車共済
運営主体 民間保険会社 協同組合などの非営利団体
運営目的 営利目的 組合員同士の相互扶助
根拠法 保険業法 団体によって異なる
出資金の有無 不要 必要
等級制度 1〜20等級 1〜20等級または1〜22等級
破綻時のセーフティネットの有無 損害保険契約者保護機構があり、契約者は保護の対象となる 団体によって異なる

それぞれの違いについて解説します。

運営主体と運営目的の違い

自動車保険は、営利団体である民間保険会社による保険です。営利目的で運営されているため、利益を加味して保険料が設定されます。

一方、自動車共済は相互扶助を目的とした組合が運営しています。営利目的ではない点も、自動車共済の特徴です。

また、自動車保険は保険業法を根拠法としますが、自動車共済は団体によって根拠法が異なります。しかし、相互扶助を目的としていることは、すべての自動車共済に共通しています。

用語の違い

契約に関わる用語も、自動車保険と自動車共済では異なります。主な違いは、以下の通りです。

自動車保険 自動車共済
保険料 掛金
保険金 共済金
契約者 加入者
保険証券 共済証書、
共済契約証書

加入時の出資金の違い

自動車共済に加入するには、出資金を出して組合員になる必要があります。最低出資額は団体によって異なりますが、1,000~10,000円程度が相場です。

一方、自動車保険の加入に出資金は必要ありません。

等級制度の違い

自動車保険には等級制度(ノンフリート等級別料率制度)があり、自動車共済においても基本的に同様の制度が採用されています。自動車保険では1~20等級の20段階、自動車共済では1~20等級の20段階、もしくは1~22等級の22段階に分かれています。

なお、6等級(セカンドカー割引が適用される場合は7等級)から始まり、事故の有無によって翌年の等級が決まる点は同じです。

セーフティネットの違い

自動車共済のなかには、セーフティネットがない共済もあるようです。

自動車保険の場合、保険会社が万一破綻したとしても損害保険契約者保護機構によって契約者は保護され、一定割合の保険金が支払われます。一方、セーフティネットのない自動車共済の場合、経営破綻時に掛金や出資金が戻ってこないこともあります。

自動車保険と自動車共済の違いを踏まえた選び方

自動車保険と自動車共済には、運営主体や運営目的、出資金の有無、セーフティネットなどの違いがあります。
どちらを選ぶか迷う方に向けて、選択時の主な判断ポイントを紹介します。

自動車保険を選ぶ際の判断ポイント

自動車保険と自動車共済のどちらを選ぶか迷った場合は、以下のようなケースでは自動車保険が向いています。

  • 補償内容やサービスを比較しながら、自分に合う補償を選びたい場合
  • 保険会社を乗り換える可能性も視野に入れ、等級の引き継ぎやすさを重視したい場合
  • 保険会社の経営破綻時に備え、セーフティネットの有無を重視したい場合

自動車保険は、複数の民間の損害保険会社が提供しており、補償内容やサービス、事故対応体制などが保険会社ごとに異なります。そのため、複数の商品を比較しながら、自分のニーズに合った補償を選びたい方に適しています。

自動車保険同士であれば、基本的に等級をスムーズに引き継ぐことができるため、進行した等級が無駄になりにくいのも特徴です。一方、自動車共済は共済によって等級を引き継げない場合があるため、後述の注意点も確認しておきましょう。

また、前述のとおり自動車保険にはセーフティネットがあり、保険会社の経営破綻時にも一定の補償を受けられる仕組みがあります。そのため、万一の場合の安心感を重視する方にとっても、自動車保険は有力な選択肢となります。

自動車共済を選ぶ際の判断ポイント

自動車保険と自動車共済のどちらを選ぶか迷った場合は、以下のようなケースでは自動車共済が向いています。

  • 割戻金など、共済ならではの仕組みに魅力を感じる場合
  • 特定の共済に長く加入し続けたい場合

自動車共済には、団体や商品によっては決算で剰余が生じた際に「割戻金」として加入者に還元する制度があります。割戻金が支払われると実質的な負担が軽減されるため、共済ならではのメリットに魅力を感じる方に適しています。ただし、すべての共済で毎年割戻金が発生するわけではありません。

特定の共済に長く加入する予定であれば、自動車共済は有力な選択肢の一つとなりますが、自動車共済から自動車保険へ乗り換える際は、加入している共済や乗り換え先の保険会社によっては等級を引き継げない場合があります。

そのため、将来的に自動車保険へ乗り換える可能性がある方は、事前に等級の引き継ぎが可能か確認しておくことが大切です。反対に、同じ共済に継続して加入する予定であれば、等級引き継ぎの影響を受けにくいため、自動車共済を選びやすいでしょう。

自動車保険と自動車共済を乗り換える際の注意点

自動車保険と自動車共済の間で乗り換えを検討するときは、等級制度についても確認しておきましょう。

自動車保険と自動車共済間では、共済によっては等級が引き継げない場合があります。共済への加入を検討するときはあらかじめ等級の引き継ぎが可能か自動車共済に確認しておきましょう。

東京海上ダイレクトの自動車保険で等級を引き継げる自動車共済は以下の通りです。教職員共済(教職員共済生活協同組合)や全労済協会(全国勤労者福祉・共済振興協会)などは引き継ぎの対象外です。

東京海上ダイレクトの自動車保険で等級を引き継げる自動車共済

  • JA共済(全国共済農業協同組合連合会)
  • 全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)
  • 全自共(全国自動車共済協同組合連合会)
  • 日火連(全日本火災共済協同組合連合会)

旧中小企業共済(全国中小企業共済協同組合連合会)を含みます。

まとめ

自動車共済を検討するときには、セーフティネットの有無や自動車保険との等級の引き継ぎなど確認すべき点があります。

ご自身が希望する形で加入できるのは自動車保険と自動車共済のどちらなのか、確認しておきましょう。

いくつかの自動車保険や自動車共済と比較すれば、よりご自身に合う保険・共済を見つけやすくなります。

監修:竹国 弘城

1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。

資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)