お車の盗難は自動車保険で補償される?盗まれたあとのお手続きもわかりやすく解説

2024年11月13日(2026年8月24日更新)

お車が盗まれた場合、加入している自動車保険の車両保険による補償を受けられることがほとんどですが、いくつか注意点があります。

本記事では、お車本体が盗まれた場合に車両保険による補償が受けられる場合の補償額や、一連のお手続きの流れ、保険金受け取り後に盗難車が発見された場合の選択肢について解説します。

お車の盗難は自動車保険の車両保険で補償される

自動車保険の補償の一つである車両保険には、一般的に、「一般型(一般条件)」と「限定(エコノミー)」の2種類があります(保険会社によって、名称が異なる場合があります)。

東京海上ダイレクト(以下、当社)の自動車保険では、お車の盗難被害は「一般タイプ」と「限定タイプ」のどちらでも補償され、盗難被害にあった場合、基本的には契約時に設定した車両保険金額の全額が支払われます。

なお、保険金の支払いには盗難届の受理番号が必要なため、お車を盗まれた際は、まず警察に連絡しましょう。保険金が支払われるまでには保険会社による調査期間も必要です。

また、お車の盗難で車両保険の保険金を請求すると、翌年の等級が1等級ダウンし、事故有係数適用期間が1年加算されるため、保険料が高くなる点は注意が必要です。

盗難被害後の保険金支払いまでの流れ

お車の盗難被害後、保険会社から保険金が支払われるまでの一般的なお手続きの流れは、以下の通りです。

盗難被害後に保険金が支払われるまでのお手続きの流れ

  1. 警察へ盗難届を提出
  2. 保険会社へ連絡
  3. 保険会社による調査
  4. 保険会社へ必要書類の提出
  5. 保険金のお支払い

それぞれ解説します。

警察へ盗難届を提出

お車の盗難被害が発覚したあとは、盗難があった場所を管轄する警察署や最寄りの交番へ、速やかに盗難届を提出してください。

盗難届を提出するとその後の保険会社での調査やお手続きなどに必要となる受理番号が発行されるので、必ず控えておきましょう。

保険会社へ連絡

盗難届の受理番号の発行後に、お車の盗難被害にあったことを保険会社に連絡します。保険会社によって、被害の状況のヒアリングが行われます。

その後の流れについて不安があれば、このときに確認しておきましょう。

保険会社による調査

連絡後は保険会社による調査が行われます。

調査員が盗難の実態や被害状況を確認する調査です。調査に要する期間はケースによって異なりますが、1~2ヶ月程度かかることがあります。

保険会社へ必要書類の提出

調査が終了したら、保険会社からの案内にしたがって必要書類を提出します。

保険金を請求する際に必要な書類の一例として、次のような書類があります。

  • 保険金請求書
  • 被害の状況・損害の内容がわかる書類 など

必要書類は請求内容や契約条件などによって異なるため、詳しくは保険会社に確認しましょう。

保険金のお支払い

保険金を受け取ってお手続きは終了です。なお、保険金を受け取るとお車の所有権は保険会社に移ります。

お車が盗まれた場合に支払われる保険金はいくら?

お車が盗まれ、その後発見されなかった場合は、全損として車両保険金が支払われます。全損とは、盗難によりお車が発見されない場合のほか、お車を修理できない場合、あるいはお車の修理費が車両保険金額以上となる場合をいいます。全損となった場合は、車両保険の免責金額(自己負担額)が適用されず、自己負担は発生しません。

当社の自動車保険では、盗難によりご契約のお車が発見されず全損となった場合、以下の保険金をお支払いします。

保険金の種類 保険金の額(1事故につき)

車両保険金
(車両保険を付帯している場合)

車両保険金額の全額

全損時諸費用保険金
(車両全損時諸費用特約を付帯している場合)

車両保険金額の10%(上限20万円、下限10万円)

  • 車両保険金額が100万円以下の場合:一律10万円
  • 車両保険金額が100万円超200万円以下の場合:車両保険金額の10%に相当する額
  • 車両保険金額が200万円超の場合:一律20万円

車内身の回り品保険金
(車内身の回り品特約を付帯している場合)

損害を受けた身の回り品※の修理費などの合計額
(保険金額(30万円)を限度とする)

(注)

「車両全損時諸費用特約」「車内身の回り品特約」は、当社における特約名称(短縮表記)です。特約名称は保険会社により異なる場合があります。
※ キャリアに固定された身の回り品の盗難による損害などは、保険金のお支払い対象外となります。

例えば、車両保険(車両保険金額:100万円)および車両全損時諸費用特約を付帯している場合、盗難により全損となったときに支払われる保険金の例は以下の通りです。

保険金の種類 保険金の額

車両保険

100万円

全損時諸費用保険金

10万円

「車両全損時諸費用特約」とは

当社の車両全損時諸費用特約は、車両保険を付帯している場合に限り付帯できる特約です。ご契約のお車が車両保険のお支払い対象となる事故により全損となった場合に、廃車や買い替えにかかる諸費用を補償します。

車両全損時諸費用特約を付帯していると、車両保険金額の10%(上限20万円、下限10万円)が支払われます。

詳しくはこちらをご覧ください。
車両全損時諸費用特約

「車内身の回り品特約」とは

当社の車内身の回り品特約は、車両保険を付帯している場合に限り付帯できる特約です。ご契約のお車に積んでいたキャンプ用品やスポーツ用品の破損などを補償します。損害が生じたすべての身の回り品の損害の額(修理費など)の合計について、保険金額を限度に保険金をお支払いします。
なお、キャリアに固定された身の回り品の盗難による損害などは、保険金のお支払い対象外となります。

詳しくはこちらをご覧ください。
車内身の回り品特約

盗難で車両保険を使用した場合の等級への影響

当社の自動車保険では、盗難で車両保険を使用した場合、翌年の等級が1等級ダウンし、事故有係数適用期間が1年加算されるため、保険料が高くなります。

例として、現在の等級が13等級・事故有係数適用期間が0年で、盗難により車両保険を使用した場合を考えてみましょう。

この場合、翌年の等級は12等級に下がります。また、翌年の事故有係数適用期間は1年となり、「事故有」の割増引率が適用されます。

12等級に下がった年に等級ダウン事故がなく1年経過すると、翌年の等級が1つ上がり13等級になります。事故有係数適用期間は、保険期間が1年経過するごとに1年減るため、翌年の事故有係数適用期間は「0年」となり、「無事故」の割増引率が適用されます。

保険金受け取り後に盗難車が発見された場合

保険金受け取り後に盗難車が発見された場合、そのお車の所有権は保険会社に移転します。ただし発見されたお車の返還を受ける方法もあります。

保険金受け取り後はお車の所有権が保険会社に移転する

前述の通り、基本的にお車が盗難被害にあった場合は全損扱いです。

お車が盗難被害にあって全損扱いで車両保険金を受け取った場合、原則としてそのお車の所有権は保険会社に移転します。保険会社に所有権が移転したあとは、お車が発見されたとしても保険会社が自由に発見されたお車を処分したり使用したりできます。

保険金受け取り後一定期間内なら発見されたお車の返還を受けられる

保険金受け取り後、一定期間内に盗難車が発見された場合、受け取った保険金全額を保険会社に払い戻すことで発見されたお車を返還してもらうことも可能です。

自動車保険の約款に記載があるので、万一盗難被害にあった際は、保険会社の約款をご確認ください。

当社では、保険金を支払った日の翌日から起算して60日以内にご契約のお車が発見された場合、受け取った保険金を当社に払い戻すことで、発見されたご契約のお車の返還を受けることができます。

お車の盗難防止におすすめの方法

そもそも、盗難被害にあわないための対策を講じることも大切です。

お車の盗難防止に役立つ方法についても事前に確認しておきましょう。

お車の盗難防止におすすめの方法

  • お車を確実に施錠する
  • イモビライザー(電子キー)を装備する
  • 盗難防止装置を活用する(センサー、ホイールロックやハンドルロック、自動録画など)
  • 防犯カメラや照明などの防犯設備が整った駐車場を利用する

近年の自動車盗難ではさまざまな手口が横行し、巧妙化しています。

いつどこで愛車が狙われるかは予測が難しいため、お車を盗難被害から守るためにも、複数の対策を講じて盗難防止に取り組みましょう。

まとめ

お車の盗難被害は、車両保険による補償が受けられることがほとんどです。

お車が盗まれた場合、保険会社による調査後、契約時に設定した車両保険金額の全額が支払われるケースが一般的です。

盗難被害によって全損扱いで保険金を受け取ったあとに盗難車が発見された場合、原則としてそのお車の所有権は保険会社に移転しています。ただし、保険金の受け取りから一定期間内に盗難車が発見され保険金全額を保険会社に払い戻せば、発見されたお車を返還してもらうことも可能です。

また、そもそも盗難被害にあわないための対策を講じておくことも大切です。盗難被害から愛車を守るためにも、複数の対策を講じたうえで、自動車保険で万全の備えを用意しておきましょう。

監修:竹国 弘城

1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。

資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)