EV(電気自動車)の自動車保険はガソリン車と違う?保険料を安く抑える方法も解説
2024年11月13日(2026年8月31日更新)
近年、持続可能な社会を目指すSDGsの意識が国内外で高まっています。
クリーンエネルギーを用いて走行するEVの普及を政府も促進しており、EVには公的な補助制度や税制の優遇が設けられています。脱炭素社会に向け、ガソリン車からの切り替えを検討している方も多いのではないでしょうか。
EVに乗り換えるにあたり、自動車保険の保険料やサービス内容がガソリン車と異なるのかは気になるところです。
本記事では、EVとガソリン車の自動車保険の比較や、保険料を抑えるためのコツを解説するので、ぜひご一読ください。
EV(電気自動車)で加入する自動車保険は、ガソリン車と同じく自賠責保険と任意保険
EVは「Electric Vehicle」の略称です。ガソリンを燃料とするのではなく、電気を充電して走行する電気自動車を指します。
EVで加入する自動車保険は、ガソリン車と同様です。「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」と「任意保険」の2種類があります。
自賠責保険は、すべての自動車・原付・バイクに加入が義務付けられている強制保険です。自賠責保険に未加入の自動車は原則として公道を走行できません。また、車検を受けることもできません。
一方、任意保険は加入するか否かを運転者自ら選択することができ、自賠責保険でカバーできない部分を補います。
自賠責保険と任意保険の違いについて詳しくはこちらをご覧ください。
初めての任意保険ガイド
ここからはEVで加入する「自賠責保険」と「任意保険」それぞれについて詳しく見ていきましょう。
EV(電気自動車)で加入する自賠責保険
自賠責保険は、車種や用途、保険期間によって保険料が決まり、EVとガソリン車で違いはありません。また、自賠責保険の保険期間は車検の有効期間をカバーする必要があり、この点もEVとガソリン車は同じです。
補償内容にも差はありません。自動車による事故が発生して他人が死亡またはケガをした場合に、相手方に対して損害賠償金が支払われます。
保険金の限度額は、以下の通りです。
| 支払限度額(被害者1名あたり) | |
|---|---|
| ケガによる損害 | 最高 120万円 |
| 後遺障害による損害 | 最高 4,000万円 (障害等級による) |
| 死亡による損害 | 最高 3,000万円 |
自賠責保険では、運転者ご自身のケガおよび、お車や物の修理費などは補償されません。また、補償内容は契約者の意思で変更することはできません。
自賠責保険の補償内容は充実しているとはいえないため、自賠責保険でカバーできない損害に備えるのが任意保険です。
EV(電気自動車)で加入する任意保険
任意保険の保険料は保険会社によって異なりますが、保険料の算出方法はEVもガソリン車と同じです。
EVの場合でも、保険料は、お車の型式や使用目的、走行距離、運転者の年齢・運転免許証の色、事故の件数・種類などにより決定される等級や、補償内容によって変わります。
そのため、EVだからといって保険料が高くなる(または安くなる)わけではありません。
また、任意保険では、EVに関するトラブルをカバーする特約やサービスを用意している保険会社もあります。カバーされる費用の例は以下の通りです。
- EVの充電が切れた場合に、給電業者がかけつける際の費用
- EVの充電が切れた場合に、給電ができる設備まで搬送するレッカー費用
- 自宅などに設置した充電設備に損害が発生した場合の修理費
上記は一例であり、特約やサービスを利用できる条件は保険会社により異なります。EV特有の特約やサービスを希望する場合は、保険会社に事前に確認しましょう。
東京海上ダイレクトの自動車保険(任意保険)でのEV特有のサービス
東京海上ダイレクト(以下、当社)の自動車保険(任意保険)では、ロードサービスに以下のサービス内容が含まれます。
- EVの充電が切れた場合に、レッカーサービスの内容に基づき、最寄りの充電施設などへ搬送
お出かけの際などに万一電欠してしまっても安心です。なお、保険期間中のご利用回数に制限はありません。
EV(電気自動車)の保険料を抑えるには?
先述した通り、EVとガソリン車では保険料の算出方法は変わりません。EVの場合も、任意保険の保険料を抑えるポイントはガソリン車と同様です。以下の2点を意識しましょう。
- 複数の保険会社で見積もりを取る
- ネット自動車保険(ダイレクト型・通販型)を検討する
それぞれ詳しく解説します。
任意保険に加入するときは、複数の保険会社で見積もりを取って比較しましょう。
見積もりを依頼する際は、補償される運転者の範囲や補償のタイプ、保険金額などがご自身に合った内容かどうか、慎重な検討が必要です。保険金額や免責金額などの条件を見直すことで、保険料を抑えられる場合もあります。
自動車を複数所有している場合は、他の任意保険の補償の重複にも気を付けなければなりません。「個人賠償特約」※1や「弁護士特約」※2といった重複しやすい特約には特に注意しましょう。「補償内容が同様の保険契約」が他にある場合、補償が重複し、お支払いいただく保険料が無駄になることがあります。
補償の重複をなくして保険料を抑える方法について、詳しくはこちらをご覧ください。
補償の重複をなくして節約
ネット自動車保険は、保険会社とWebサイトなどを通して直接やりとりするため営業コストが抑えられ、代理店を通して加入するより保険料が安くなる傾向があります。保険料を抑えたい場合は、ネット自動車保険も選択肢のひとつです。
「個人賠償特約」の特約名称は保険会社により異なる場合があります。
弁護士特約の特約名称は保険会社により異なる場合があります。当社の場合、日常生活の事故については、「日常・自動車事故補償」タイプを選択(保険開始日が2026年1月1日以降の契約で選択できます)した場合に補償します。
EV(電気自動車)は維持費(燃料費・税金)が安く抑えられる
EVで加入する任意保険について解説してきましたが、「保険料以外の維持費が気になる」という方も多いのではないでしょうか。
EVはガソリン車と比較して車両の購入価格が高い傾向にありますが、維持費は安く抑えられる場合が多い点がメリットとして挙げられます。一般的に、走行距離が同じであればEVの燃料費はガソリン車より安く済みます。
また、EVは税制上の優遇措置の対象となる場合があります。適用の有無や内容は、購入時期・初度登録時期・車種・制度の適用条件などによって異なります。主な措置としては、エコカー減税やグリーン化特例があります。
| エコカー減税 | 自動車重量税が免税・軽減される |
|---|---|
| グリーン化特例 | 自動車税・軽自動車税が軽減される |
出典:国土交通省「自動車関係税制について (エコカー減税、グリーン化特例 等)」
上記の2項目は国による免税・減税ですが、独自に優遇措置や助成制度を設定している自治体もあります。EVの利用にあたっては、ご自身が居住している地域で受けられる支援がないか、確認してみましょう。
ただし、税制の優遇は期間が決まっている場合もあるため、購入のタイミングに注意が必要です。利用したい制度の条件は事前に把握しておき、あらかじめ納期がどのくらいか聞いておくなどスケジュールに余裕をもって購入を進めるとよいでしょう。
まとめ
EVの自動車保険は、基本的にガソリン車と同様です。自賠責保険に加入したうえで、自賠責保険でカバーできない部分については、任意保険に加入して補いましょう。
自賠責保険では、保険料・補償内容ともにガソリン車との違いはありません。
一方、任意保険では、EVに関するトラブルをカバーする特約やサービスを用意している保険会社もあります。
任意保険の保険料を抑えるためには、複数の保険会社で見積もりを取ったり、ネット自動車保険を検討したりするとよいでしょう。
監修:竹国 弘城
1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。
資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)