自動車保険の「使用目的」の選び方は?こんなときはどうする?

2024年3月8日

自動車保険では、申し込みの際、お車の使用目的について保険会社に申告する必要があります。「自分の場合にはどの使用目的を選択すればよいのか」と迷うケースもあるかもしれませんが、正しく使用目的を申告しないと、万一の際に補償されないおそれもあります。また、使用目的により保険料も変わります。今回は、自動車保険の「使用目的」の選び方について解説します。

車の使用目的について

前述のとおり、自動車保険に加入の際にはお車の使用目的を選ばなければなりません。使用目的によって保険料が変わるため、間違って選択しないように注意が必要です。

一般的に、お車の使用目的は「主に業務」「主に通勤・通学」「主に日常・レジャー」の3つです。これらの定義は保険会社によって異なりますが、ここではイーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)を例にご紹介します。

主に業務

使用目的が「主に業務」となるのは、定期的かつ継続してお車を業務に使用している場合です。この「業務」の範囲にボランティアは含まず、給与や報酬などが発生する労働を業務としています。
なお、「定期的かつ継続している」とは、年間を通じて月平均15日以上使用している状態をいいます。

主に通勤・通学

「主に業務」に該当せず、定期的かつ継続して通勤または通学にお車を使用している場合は、「主に通勤・通学」に該当します。なお、通勤・通学する本人が運転せず、家族がその車で送り迎えをしている場合にも「主に通勤・通学」に含まれます。

主に日常・レジャー

「主に業務」「主に通勤・通学」のどちらにもあてはまらない場合、使用目的は「主に日常・レジャー」になります。例えば、お車の利用が日常の買い物や週末のドライブ、旅行に限られる場合などです。

どこからが通勤・通学?

ここからは、どのような場合に「主に通勤・通学」にあたるのか具体例をみていきましょう。

「主に通勤・通学」にあたる例

これらはすべて、使用目的が「主に通勤・通学」となる例です。

会社員のAさんの場合

会社員のAさんは、毎日通勤にお車を使用しています。ときどき業務にも使用していますが、頻度は月に2・3日です。定期的かつ継続的に業務に使用しているわけではないので「主に通勤・通学」にあたります。

会社員のBさんの場合

会社員のBさんは、通勤にお車は使用しませんが、子どもの通学の送り迎えに配偶者がお車を使用しています。通学に使用しているのは月平均で15日以上であり、定期的かつ継続的に通学に使用しているため、使用目的は「主に通勤・通学」が該当します。

主婦のCさんの場合

主婦のCさんは、買い物やレジャーにお車を使用しています。しかし、子どもの通学と夫の通勤の送り迎えにも、月平均20日以上お車を使用しています。定期的かつ継続的に通勤・通学に使用しているため、「主に通勤・通学」にあたります。

「主に通勤・通学」にあたらない例

こちらは使用目的が「主に通勤・通学」にあたらない例です。

会社員のDさん

Dさんは、普段は週末の買い物にお車を使用していますが、冬の期間のみ通勤に使用しています。通勤に使用しているものの、定期的かつ継続的ではないため、使用目的は「主に日常・レジャー」に該当します。

主婦のEさん

主婦のEさんは、雨の日だけ子どもを学校に送り迎えするのにお車を使用しています。それ以外では、普段の買い物と週末のレジャーのみの使用であるため、こちらも使用目的は「主に日常・レジャー」になります。

どこからが業務使用?

次に、使用目的が「主に業務」となる具体例をみていきましょう。

「主に業務」にあたる例

これらは、使用目的が「主に業務」となる例です。

会社員のFさん

Fさんは、契約しているお車を月平均20日ほど通勤に使用しています。しかし、そのうちの15日以上は業務にも使用しています。自家用車を業務に利用する場合、自家用車の利用日数が月平均15日以上であれば「主に業務」にあたります。

自営業のGさん

自営業のGさんは、毎日子どもの学校の送り迎えにお車を使用し、買い物やレジャーにも使用します。ただし、月平均25日は業務に使っているため、自営業のGさんの場合も、「主に業務」にあたります。

「主に業務」にあたらない例

では「主に業務」にあたらないのはどのような場合なのでしょうか。

会社員のHさん

平日は通勤、週末は買い物に使用し、業務においても社用車ではなく自家用車を使用していますが、業務で使用するのは月に10日未満です。年間を通じて月平均20~22日通勤に利用しているため、使用目的は「主に通勤・通学」が該当します。

会社員のIさん

Iさんは冬の期間、徒歩通勤が大変になってしまうため、マイカー通勤をしています。また同じ理由で、冬は月2・3回業務にも使用します。しかし、一番使っているのは買い物やレジャーです。通勤も業務使用も、定期的かつ継続的な利用ではないため、この場合には「主に日常・レジャー」があてはまります。

保険料はどれくらい変わる?使用目的による金額の違い

冒頭でも述べたとおり、お車の使用目的によって保険料は変わります。お車の使用目的が変わることで、使用頻度や運転時間も異なるためです。

自動車保険では、事故のリスクが高ければ保険料が上がり、低ければ下がります。使用頻度や運転時間が多いということは、それだけ事故のリスクも高いということになりますから、より使用頻度や運転時間が多い使用目的では、保険料も高くなってしまうのです。

最も保険料が高くなるのは、毎日の仕事で車を使用し、使用頻度や運転時間が多いことが想定される「主に業務」です。続いて「主に通勤・通学」の保険料が高く、もっとも保険料が安いのが「主に日常・レジャー」となります。

使用目的による保険料の違い

ここからは、&eに加入した場合の、使用目的による保険料の違いについてみていきましょう。

主に日常・レジャー 主に通勤・通学 主に業務
保険料(一括払) 37,297円 39,337円 46,428円
保険料の算出条件・補償内容の詳細を見る

上記保険料の算出条件

  • 運転免許証の色:ゴールド
  • 使用目的:表に記載のとおり
  • 主な使用地:宮城県
  • 運転者限定:夫婦限定
  • 運転者年齢条件:30歳以上補償
  • 前年走行距離区分:7,000km超10,000km以下
  • 料率クラス:車両8対人12対物10傷害11
  • 等級:20等級(事故有係数適用期間:0年)

【補償内容(保険金額など)】

  • 対人賠償:無制限
  • 対物賠償:無制限
  • 対物超過特約:あり
  • 人身傷害:3,000万円(車内のみ補償)
  • 車両保険のタイプ:一般
  • 車両保険:95万円
  • 車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5万円-10万円
  • 車両全損時諸費用特約:あり
  • 弁護士特約:あり
  • 他車運転特約:あり
  • 被害者救済特約:あり
  • 無過失特約:あり
  • インターネット割引:あり

【その他の算出条件】

  • 主に運転される方(記名被保険者):32歳
  • 用途・車種:自家用普通乗用車
  • 初度登録年月:平成26年1月
  • 保険開始日(始期日):2024年4月1日
  • 保険期間:1年間
  • 前契約事故:なし
  • 前契約保険会社:当社以外
  • 払込方法:一括払
(注)

表示の保険料は、保険開始日が2024年4月1日の&eにおける保険料です。
商品改定などにより、保険料が変更となる場合があります。

このように、同じお車・同じ保険内容でも、もっとも保険料の安い「主に日常・レジャー」と保険料の高い「主に業務」では、保険料に大きな差が出ます。

使用目的が変わったときには

「転勤で職場が変わり、車通勤をすることになった」等、自動車保険の保険期間中に使用目的が変わることもあるでしょう。その場合は、速やかに保険会社へ連絡しましょう。なお、使用目的が変わることによって保険料が変わることがあります。高くなる場合は追加の保険料が必要です。安くなる場合は保険料の返戻が発生します。

使用目的の変更連絡をしなかった場合

保険料が高くなるからといって、使用目的の変更連絡をしなかった場合、万一の際に補償されなかったり、契約が解除されたりする可能性があります。自家用車を業務に使用しなければならなくなったとき、引っ越しによって通勤や通学に車が必要になってしまったときなど、すぐに保険会社に連絡し、使用目的が変わった旨を伝えましょう。

虚偽の申告をした場合

また、申し込み時に虚偽の申告をした場合も、万一の際に補償されなかったり、契約を解除されたりする可能性があります。正しく申告し、万一の際に備えましょう。

自動車保険は、いざというときに必要なものです。使用目的の虚偽申告によって補償されないのでは、加入している意味がなくなってしまいますので、使用目的は正しく申告しましょう。ただし、例えば業務に使用するようになったからといって、使用日数が既定の日数に満たなければ、ただちに業務使用に区分されるわけではありません。自動車保険の規定を正しく理解し、自動車保険に加入しましょう。

監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績 は2,000本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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