自動車保険の名義変更が必要なのはどんなとき?等級引き継ぎの条件や注意点も解説
2024年3月8日(2026年1月19日更新)
自動車の所有者が変わったときや、使用状況が変更になったときには、自動車保険の名義を変更する必要があります。ただし、名義変更のタイミングを誤ってしまうと等級を引き継げないことがあるため注意が必要です。今回は、自動車保険の名義変更について覚えておくべきポイントを解説します。
自動車保険に関する名義とは
自動車保険に関する名義は3つあります。1つ目が「契約者」、2つ目が「主に運転される方(記名被保険者)」、3つ目が補償の対象となるお車の「所有者」です。
なお、名義のうち、主に運転される方(記名被保険者)、所有者は告知事項にあたる場合があります。告知事項とは危険に関する重要な事項のうち、保険会社側が契約者に告知を求めている事項です。正確な内容で申告をしましょう。
名義は、契約期間内に変更することが可能です。変更になる場合は、契約している保険会社に速やかに連絡しましょう。
では、それぞれの名義について解説していきましょう。なお、各名義人になれる条件は、保険会社によって異なりますので、詳細は各保険会社に確認をしてください。
契約者
自動車保険における契約者とは、自動車保険の申し込み手続き、保険料の支払い手続きをする人のことです。
契約者は必ずしも主に運転される方(記名被保険者)や車の所有者である必要はありません。例えば、子どもが運転する車の自動車保険の契約者が親というパターンや、妻が運転する車の自動車保険の契約者が夫であるというパターンもよくみられますが、契約者・主に運転される方(記名被保険者)・所有者の関係性においては、各保険会社によって条件がありますので注意しましょう。
主に運転される方(記名被保険者)
補償の対象となるお車を最も多く運転される方※1を指します。
東京海上ダイレクトの自動車保険では、主に運転される方※1(記名被保険者)は以下のいずれかである必要があります。
- 契約者
- 契約者の配偶者
- 契約者(または配偶者)の親族
「最も多く」とは、お車を運転する回数の多さや距離の長さではなく、お車を運転する時間の長さをいい、期間は保険開始日から1年間で判定します。運転する時間が同程度の方が複数存在する場合でも、いずれか1名を主に運転される方(記名被保険者)としてお選びください。
所有者
補償の対象となるお車の持ち主を指します。基本的には車検証に記録されている所有者のことです。
なお、当社の自動車保険では、所有権留保条項付売買契約で購入した車の場合には、「購入した人」を持ち主とみなします。また、1年以上を期間とするリース契約により有償で借り入れた車で、 所有者がローン会社(信販会社など)、リース会社などの場合は、「借りた人」を、持ち主とみなしています。
当社の自動車保険では、所有者(上記の「購入した人」「借りた人」を含む)が以下のいずれかにあてはまる場合に、ご契約いただけます。
- 契約者
- 契約者の配偶者
- 契約者(または配偶者)の親族
自動車保険の名義変更が必要なのはどんなケース?
以下のようなケースは、すぐに名義変更を行いましょう。前述の通り、保険会社によっては契約者、主に運転される方(記名被保険者)、所有者の関係性に条件を課している場合もありますので、変更前に必ず確認しておきましょう。
契約者の変更が必要なケース
契約者が死亡した場合や保険料を支払う方が変わった場合は、契約者を変更する必要があります。例えば、契約者が親になっていたが親と同居していた子どもが独立し、自動車保険の支払いをご自身でするようになったときは、このケースにあてはまります。
主に運転される方(記名被保険者)の変更が必要なケース
子どもが運転免許を取得し、主に運転される方(記名被保険者)が親から子どもに変わった場合や、夫が単身赴任で不在になることに伴って主に運転される方(記名被保険者)が夫から妻に変わった場合などには、主に運転される方(記名被保険者)を変更する必要があります。
所有者の変更が必要なケース
補償の対象となるお車を子どもや配偶者に譲った場合は、所有者の変更が必要になります。あわせて主に運転される方(記名被保険者)も変わる場合は、主に運転される方(記名被保険者)も変更する必要があります。
なお、お車の持ち主が変わったときには、車検証上の所有者の名義変更も忘れずに行いましょう。
契約者・所有者を変更しても、
自動車保険の等級は引き継ぎができる
自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)とは、前契約の有無や、前契約の事故の件数・種類などにより、次契約に適用する等級(1~20等級)と割増引率が決定され、保険料を割引・割増する制度です。なお、20等級が最も割引率が高くなります。
一般的に、どの保険会社の自動車保険でもこの等級制度を導入しています(一部の共済を除く)。
また、以下のような場合、翌年の自動車保険の等級が1つ上がります(ただし、20等級が上限です)。
- 保険期間中無事故だった場合
- 事故にあったが、保険金を請求しなかった場合
- 事故にあったが、「ノーカウント事故」だった場合※2
「ノーカウント事故」に分類される事故は、保険金を請求しても、翌年の等級・事故有係数適用期間の算出においては、事故がなかったものとして取り扱います。
「契約者や所有者を変更すると、等級がまた初めからになってしまうのでは?」という不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、一定の条件を満たしていれば契約者・所有者を変更しても等級はそのまま引き継ぐことができます。
主に運転される方(記名被保険者)を変更する場合は、
ここに注意!
注意したいのは、主に運転される方(記名被保険者)を変更する場合の等級引き継ぎです。
主に運転される方(記名被保険者)を、配偶者や同居の親族に変更する場合は、等級の引き継ぎが可能です。ただし、別居の子どもや親族に変更する場合は、原則として等級の引き継ぎができません。
表でまとめると以下の通りです。
〇:等級の引き継ぎ可能、×:等級の引き継ぎ不可
| 現在の「主に運転される方」との関係 | 同居 | 別居 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 〇 | 〇 |
| 子ども | 〇 | × |
| 親族 | 〇 | × |
名義を変更するときの等級の引き継ぎについて、当社の自動車保険を例に説明します。
配偶者間での主に運転される方(記名被保険者)の名義変更
配偶者間で主に運転される方(記名被保険者)の名義を変更する場合は、同居・別居に関係なく等級を引き継ぐことができます。そのため、住民票の住所が異なっていても、手続きに問題はありません。
親子間での主に運転される方(記名被保険者)の名義変更
親子間で主に運転される方(記名被保険者)の名義を変更する場合、等級を引き継ぐためには親子が同居していることが条件です。当社の自動車保険では同居とは「同一家屋に居住している状態」を指します(生計の同一性や扶養関係の有無または住民票記載の有無は問いません)。
そのため、子どもが進学・就職・結婚などを機に別居し、その後、親が子どもに車を譲った場合、主に運転される方(記名被保険者)の名義を子どもに変更しても、原則として等級を引き継ぐことができません。
別居している親子間での主に運転される方(記名被保険者)の名義変更
前述の通り、別居している親子間でも主に運転される方(記名被保険者)の名義変更は可能ですが、原則として等級は引き継げません。就職や進学で近々別居するときは注意が必要です。
名義変更はどうやって行う?
名義変更の手続き方法は、保険会社によって異なります。名義変更が必要になった際には、必ず契約している保険会社に連絡し、手続き方法を確認しましょう。
当社の自動車保険では、「主に運転される方(記名被保険者)」と「お車の所有者」の変更はマイページからお手続きいただけます。「契約者」の変更はお客さまサポートセンターへご連絡ください。
まとめ
自動車保険の名義には3種類あります。「契約者」は申し込み手続きや保険料の支払い手続きをする方、「主に運転される方(記名被保険者)」は原則として補償の対象となるお車を最も多く運転される方、「所有者」は補償の対象となるお車の持ち主を指します。
これらの名義人に変更があった場合は、保険会社に連絡をして変更手続きをしなければなりません。特に、主に運転される方(記名被保険者)の変更手続きをする際には、等級の引き継ぎができないケースがありますので注意が必要です。
「どうやって変更するんだっけ?」とつい後回しにしている間に、等級の引き継ぎができずに保険料が高くなってしまう可能性もあります。迷ったら、まずは加入している保険会社に相談してみましょう。
監修:新井 智美
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。
資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員