物損事故とは?自動車保険でカバーできる補償と事故発生時の対応や保険金請求の流れを紹介

2026年3月18日

物損事故とは、人的被害のない事故のことです。例えば、運転中にガードレールに接触してガードレールやお車を傷つけてしまった場合や、追突事故で相手方のお車に損害が生じたものの、幸いにも人的被害がなかった場合などが該当します。
物損事故について知っておくことで、万一のときにも慌てずに対応できるようになります。
本記事では、物損事故により損害を被った場合に利用できる任意で加入する自動車保険(以下、自動車保険)の補償や特約、物損事故時の対応について解説します。

物損事故とは

物損事故とは、人的被害のない事故のことです。車両や建物、標識やガードレールといった公共物など、物だけが破損し、人的被害がない事故のことを「物損事故」といいます。

自賠責保険は人に対する補償のため、物損事故では補償されません。一方、自動車保険では契約の内容によっては物損事故も補償されます。自賠責保険と自動車保険の補償範囲の違いは以下の通りです。

自賠責保険(強制保険)と自動車保険(任意保険)の補償範囲の違い

(注)

任意保険の補償の範囲は、保険会社や商品・契約条件により異なります。支払限度額等がある場合がありますので、ご注意ください。

なお、自賠責保険と自動車保険の違いに関する詳細は以下をご確認ください。

自動車保険の基礎知識。補償内容や等級のルールもわかりやすく解説!

物損事故で生じたお車などの損害に利用できる自動車保険の補償や特約

東京海上ダイレクト(以下、当社)の自動車保険を例に、物損事故により他人の財物やご自身のお車に損害が生じたときに利用できる主な補償や特約の概要をご紹介します。

物損事故の際に利用できる自動車保険の主な補償や特約

  • 対物賠償
  • 対物超過特約
  • 車両保険
  • 車両全損時諸費用特約
  • 新車買替特約

対物賠償

対物賠償とは、自動車保険の基本的な補償の一つです。ご契約のお車の事故により、他人の財物に損害を与えたり、線路に立ち入り電車などを運行不能にしたりすることで、法律上の損害賠償責任を負う場合に補償します。損害賠償責任への補償であるため、自宅の塀を壊してしまった場合など、ご自身で所有する物への損害は補償されません。

すべてのご契約に対物賠償を付帯※1しており、保険金額を「無制限」にしています。

※1

一部の契約では付帯できない場合があります。

対物賠償の補償内容について詳しくはこちらをご確認ください。

対物賠償

対物超過特約

対物超過特約とは、自動車保険に付帯可能な特約の一つです。対物賠償では相手方のお車の時価額を超える修理費はお支払いすることができません。対物超過特約では、この時価額を超える修理費に、補償範囲となる方の過失割合を乗じた額を、50万円を限度に保険金としてお支払いします。

対物超過特約の補償内容について詳しくはこちらをご確認ください。

対物超過特約

車両保険

車両保険とは、自動車保険の基本的な補償の一つです。衝突、接触などの事故によりご契約のお車に損害が生じた場合に、その修理費などを補償します。事故だけでなく台風や洪水による損害も補償するため、災害の多い日本に適した備えです。

補償範囲の異なる「一般」「限定※2」のタイプからお選びいただけます。「限定」は補償の範囲が限定されているため、電柱やガードレールなどとの衝突による損害などは補償されません。

※2

「エコノミー車両保険特約」を付帯し、補償範囲を限定した車両保険をいいます。

車両保険の補償内容について詳しくはこちらをご確認ください。

車両保険

車両全損時諸費用特約

車両全損時諸費用特約とは、車両保険にセットで付帯できる特約です。車両保険のお支払い対象となる事故により、ご契約のお車が全損となった場合に、廃車や買い替えにかかる諸費用を補償します。

ご契約のお車が全損となり、廃車や買い替えが必要となった場合、廃車や買い替え時の諸費用は車両保険では支払われません。車両全損時諸費用特約を付帯していると、車両保険金額の10%(上限20万円、下限10万円)が支払われます。

車両全損時諸費用特約の補償内容について詳しくはこちらをご確認ください。

車両全損時諸費用特約

新車買替特約

新車買替特約とは、車両保険にセットで付帯できる特約です。車両保険で補償される事故※3によって、ご契約のお車に大きな損害が生じた場合に、代替として購入するお車の購入費等を補償します。「保険開始日の属する月が、ご契約のお車の初度登録年月の翌月から起算して49ヶ月以内であること」「ご契約のお車がリースカーに該当しないこと」の2つの条件を満たす場合に、付帯することができます。

※3

お車が盗取され発見されなかった場合を除きます。

新車買替特約の補償内容について詳しくはこちらをご確認ください。

新車買替特約

事故が発生したときにすべきことは?

事故を起こしたときは、相手方がいる場合もいない場合も、事故直後の対応が大切です。事故を起こしたあとにすべきことについて、順を追って紹介します。

手順①ケガ人の有無を確認し、救護する

事故現場ではケガ人の救護が最優先です。まずは、ご自身や同乗者、相手方など、事故現場にケガ人がいないかを確認しましょう。ケガ人がいる場合は、安全を確保したうえで、救急車を呼ぶなど、迅速に対応しましょう。ケガが軽い場合でも、念のため病院で診察を受けてもらうようにしましょう。

手順②車を安全な場所に移動させる

路肩などの安全な場所に移動させて、危険防止措置をとりましょう。

例えば、事故後は以下のような危険な状況となっていることがあります。

  • 事故の衝撃で車体の一部や部品が破片となって周囲に飛び散っている
  • 車の停止位置が後続車の通行を妨害する

こうした事故直後の状況を放置することは、二次被害を招く恐れがあり危険です。また、危険防止措置は道路交通法に定められている法律上の義務です。

周囲の状況をよく確認してから破片などの除去、発煙筒の発火、三角停止板の設置、後続車の誘導などの危険防止措置を行いましょう。

お車が動かず運転できないときは、自動車保険に付帯されたロードサービスやJAF(日本自動車連盟)のロードサービスに連絡してください。

手順③警察に連絡する

負傷者がいない場合や、物の損害が軽微な場合でも、警察に届け出ましょう。交通事故が発生した際は、道路交通法第72条に基づき、警察に報告する義務があります。警察には、主に次のような内容を伝えます。

  • 事故の場所や日時
  • ケガ人がいればケガの程度
  • 損壊物の有無

報告時に警察から指示があった場合は、その指示にしたがって行動します。交通事故証明書は事故発生の事実を証明するものですが、警察への届け出のない事故については交通事故証明書の発行はできません。必ず届け出をしておきましょう。

手順④相手方の情報を確認する

ガードレールや電柱、お店の看板、他人の家の塀など、自損事故で他人の物を壊してしまったら、所有者を確認のうえ、氏名・住所・連絡先などを聞いてメモなどで残しておきます。

停車中の車にぶつけてしまったときなど、他人の車に損害を与えた場合には、相手方の車の登録番号(車両ナンバー)も確認します。当事者間で賠償に関する約束や念書の取り交わしはトラブルの原因になりますので、直接交渉せず、保険会社の担当者へ相談するようにしましょう。

手順⑤事故の状況を記録する

保険会社に事実を正確に伝えられるように、事故の状況を記録しておくと便利です。

スマートフォンで写真を撮り、事故の発生状況や被害状況、現場の見取り図などのメモを残しましょう。また、目撃者がいるときは、氏名や住所、連絡先を聞いておきます。ドライブレコーダーの映像があれば、客観的に事故の状況を判断するのに役立つことがあります。

手順⑥自動車保険の契約先保険会社に連絡する

契約中の自動車保険の保険会社に事故を連絡します。当社の場合、自動車保険の事故受付は電話のみならずWebでも可能です。24時間365日対応なので、いつでも安心して連絡できます。

また、保険会社や商品により異なりますが、多くの自動車保険がロードサービスや代車の手配などのサービスを提供しているため、必要に応じて利用しましょう。

契約者からの連絡を受けて事故担当者が決まると、保険会社による事故対応が始まります。当社では、事故担当者が事故状況の確認や必要書類の準備をサポートするため、保険金請求の手続きに不安がある場合も安心です。

まとめ

物損事故とは、人的被害のない事故のことです。車両や建物、標識やガードレールといった公共物など、物だけが破損し、人的被害がない事故のことを「物損事故」といいます。
物損事故では、対物賠償や対物超過特約、車両保険、車両全損時諸費用特約、新車買替特約などが利用できます。
事故が発生したときは迅速な対応が必要です。まずはケガ人がいるかどうか確認し、ケガ人の救護をしましょう。その後、安全確保・警察への連絡・相手方の情報の確認・事故状況の記録・保険会社への連絡を行いましょう。

監修:竹国 弘城

1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。

資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)