自動車保険の住所変更のタイミングや手続きの流れは?忘れた場合の影響も解説
2026年4月1日
引っ越しの際、住民票や電気・水道などのライフラインのお手続きは済ませても、自動車保険の住所変更を忘れてしまう人は少なくありません。しかし、自動車保険の住所変更や、それに伴う「主な使用地」などの契約内容の変更をしないと、補償に影響が出る可能性や、事故時の対応が遅れるおそれがあります。
この記事では、自動車保険の住所変更のタイミングや手続きの流れ、手続きを忘れてしまった場合のリスクなどについて詳しく解説します。
自動車保険の住所変更手続きのタイミング
自動車保険の住所変更は、引っ越しのタイミングで速やかに行うことが大切です。保険会社によっては、変更日を指定して事前にお手続きできる場合もあるため、新しい住所が決まったら早めにお手続きしましょう。
自動車保険には、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、加入するか否かを運転者自ら選択できる「任意保険」の2種類があります。住所が変わったときは、それぞれの保険で変更手続きを行う必要があります。
任意保険の住所変更のお手続きは、一般的に保険会社の公式Webサイトや電話で受け付けています。多くの保険会社では、契約内容の確認や変更ができる契約者専用のページを設けており、スマートフォンやパソコンからカンタンにお手続きができます。
手続き方法がわからないときは、保険会社のお客さまサポートセンターに問い合わせをしてみましょう。代理店で加入した場合は、代理店に連絡すれば対応してくれます。
なお、住所変更のお手続きは、契約者本人が行う必要がありますのでご注意ください。
自動車保険の住所変更を忘れてしまった場合の影響は?
任意保険の場合
任意保険の場合、例えば都道府県を跨がない引っ越しで、住所変更の手続きを忘れてしまっても、それだけで保険金のお支払いや事故対応への大きな影響は一般的にありません(保険会社によって異なります)。ただし、住所変更に伴って、お車の主な使用地や使用目的、ナンバープレート(登録番号・車両番号)などに変更が生じた場合は注意が必要です。
これらは保険料の算出に影響する重要な情報となるため、変更があった場合は保険会社への通知が必要な「通知事項」に該当することが一般的です。もし変更後遅滞なく通知しなかった場合、「通知義務違反」とみなされ、契約解除や保険金が支払われないなどの不利益が生じるおそれがあります。
また、都道府県の移動の有無に関わらず、住所変更の手続きを行わないままでいると、保険会社からの重要なお知らせが届かなくなり、契約の継続手続きを忘れて、自動車保険に加入していない状態が発生するなど、思わぬトラブルや不利益につながる可能性もあります。
自賠責保険の場合
一方で、自賠責保険は、自動車事故の被害者救済を目的とした保険のため、住所変更手続きを忘れていた場合でも必ずしも契約が無効になるわけではありません。ただし、保険金支払いの際のお手続きが複雑になるなどの支障が出る可能性があります。
また、住所変更に伴い、お車の「使用の本拠地」が変わる場合、地域区分の違いにより保険料が変わることがあります。「本土・本土離島・沖縄本島・沖縄離島」の4つの区分があり、この区分が保険料の算出に影響します。
さらに、重要なお知らせが届かず、気がつかないうちに無保険になってしまう可能性もあります。自賠責保険の場合は、無保険状態で公道を走行すると法律により罰せられます。住所が変わったら、速やかに変更手続きを行うようにしましょう。
【任意保険と自賠責保険:住所変更における違い】
| 項目 | 任意保険(東京海上ダイレクトの自動車保険の場合) | 自賠責保険 |
|---|---|---|
| 通知義務 | 住所変更に伴い「主な使用地」などの通知事項に変更が生じた場合は通知義務あり | 法律上、罰則などは定められていないが、速やかに通知が必要 |
| 変更方法 | マイページにログインして変更 | Webサイトや来店・郵送にてお手続き(引き受け保険会社が窓口となる) |
| 補償への影響 | 住所変更に伴い「主な使用地」などの通知事項の変更手続きがされていないと、契約解除や保険金が支払われないおそれがある | 基本的になし |
| 保険料への影響 | 「主な使用地」や「使用目的」が変わる場合は保険料が変動する可能性がある | 「使用の本拠地」が変わる場合は保険料が変わることがある |
| お手続きの主体 | 原則、契約者本人がお手続きする必要がある | 本人以外でも条件を満たせばお手続きが可能 |
| その他の変更をしないリスク | 重要なお知らせが届かず、任意保険に加入していない状態になるなどの不利益を被る可能性がある | 保険金の支払い手続きが複雑になる、重要なお知らせが届かず無保険になるなどの可能性がある |
任意保険の住所変更手続きの流れ
前述の通り、任意保険の住所変更のお手続きは、一般的に保険会社の公式Webサイトや電話で行うことができます。
ここでは、東京海上ダイレクト(以下、「当社」)の自動車保険を例に、具体的なお手続きの流れを見ていきましょう。
当社では、「契約者」と「主に運転される方(記名被保険者)」のそれぞれについてお手続きが必要です。
契約者の住所変更
「契約者」とは、保険会社と保険契約を締結し、保険料を支払う人を指します。当社では、契約者の住所変更は、マイページから以下の手順でお手続きいただけます。
- お手持ちのスマートフォンやパソコンから「マイページ」にログインする
- 「お客さまの情報を変更する」を選択し、画面の案内にしたがってお手続きを行う
主に運転される方(記名被保険者)の住所変更
「主に運転される方(記名被保険者)」とは、その保険契約においてご契約されるお車を最も多く運転する人※1を指します。契約者と主に運転される方(記名被保険者)が同一である場合が多いですが、必ずしも同一でなければいけないという決まりはありません。当社では、主に運転される方の住所変更は、マイページから以下の手順でお手続きいただけます。
「最も多く」とは、お車を運転する回数の多さや距離の長さではなく、お車を運転する時間の長さをいい、期間は保険開始日から1年間で判定します。
運転する時間が同程度の方が複数存在する場合でも、いずれか1名を主に運転される方(記名被保険者)としてお選びください。
- お手持ちのスマートフォンやパソコンから「マイページ」にログインする
- 「契約内容の変更」を選択する
- 「契約内容を変更される方(上記以外)」を選択する
- 「主に運転される方の住所変更・改姓」を選択し、画面にしたがって手続きを進める
なお、住所変更に伴い、お車の主な使用地やナンバープレート(登録番号・車両番号)などにも変更が生じる場合は、それらのお手続きもあわせて行う必要があります。
任意保険の住所変更時に必要なもの
当社における住所変更手続きは、画面の案内にしたがって必要事項を入力するだけで完了します。別途、書類の提出は不要です。
スムーズにお手続きを進めるために、以下のものをお手元に用意しておくとよいでしょう。
- マイページにログインするためのID・パスワード
- 新しい住所が確認できるもの(住民票の写し、運転免許証など)
住所変更以外で申告すべき4つのポイント
ここからは、住所変更以外で申告すべき4つのポイントを当社の自動車保険を例に、見ていきましょう。引っ越しに伴い、以下の4つの項目に変更がある場合は、住所変更のお手続きとあわせて必ず申告しましょう。以下の項目で「通知事項」に該当する場合は、遅滞なく当社へ通知(連絡)する必要があります。通知事項の変更手続きがされていないと、契約解除や保険金が支払われない場合があります。
- 主な使用地
- 使用目的
- ナンバープレート(登録番号・車両番号)
- 運転者の範囲
主な使用地
主な使用地とは、ご契約のお車を主に使用する都道府県のことです。なお、当社ではご契約のお車を最も長い時間使用される都道府県をお選びいただきます。
例えば、単身赴任で大阪府に住んでいるが、ご契約のお車を使用する時間が最も長いのは自宅のある東京都の場合は、「東京都」をお選びください。
主な使用地は「通知事項」に該当するため、住所変更により主な使用地が変わる場合は遅滞なく当社へ通知(連絡)しましょう。
なお、保険会社によっては、主に運転される方(記名被保険者)の居住地(住所)を主な使用地として扱う場合もあります。
使用目的
使用目的とは、お車の主な利用用途のことです。当社では「主に日常・レジャー」「主に通勤・通学」「主に業務」の3つに分類されており、この区分によって保険料が変動します。
また、使用目的も「通知事項」に該当するため、変更があった場合は遅滞なく当社へ通知(連絡)しましょう。
例えば、これまでは「日常・レジャー」で使用していたお車を、引っ越し後は通勤で使用するようになった場合などは、使用目的の変更手続きが必要です。
ナンバープレート(登録番号・車両番号)
引っ越しによって、お車を管轄する運輸支局などが変わる場合は、お車のナンバープレート(登録番号・車両番号)も変更となります。登録番号・車両番号も「通知事項」に該当するため、変更があった場合は遅滞なく当社へ通知(連絡)しましょう。
なお、引っ越し後も同じ管轄内であれば、ナンバープレート(登録番号・車両番号)は変わらないため変更は不要です。引っ越し前に、新住所がどの運輸支局などの管轄にあたるかを確認しておくと安心です。
自動車保険に車のナンバープレート変更は関係する?通知義務と必要なお手続きを解説
運転者の範囲
当社では、補償される運転者の範囲を設定することができます。補償される運転者の範囲を設定すると、運転者の範囲に該当する方がお車を運転中の事故に限り保険金が支払われます。運転者を限定したり、運転者の年齢条件を設定したりすることで、保険料が変動します。
運転者の範囲の区分は保険会社によって異なりますが、当社の場合、運転者限定は「本人限定」「夫婦限定」「家族限定」「運転者限定なし」の4つの区分から、運転者年齢条件は「30歳以上補償」「26歳以上補償」「21歳以上補償」「年齢問わず補償」の4つの区分からお選びいただけます。
運転者の範囲は「通知事項」に該当しませんが、引っ越しによって同居する家族構成が変わる場合は、運転者の範囲の見直しも忘れないようにしましょう。見直しを行わず事故を起こした場合、運転者の範囲の設定によっては補償されないケースがありますのでご注意ください。また、運転者の範囲を適切に設定することで、保険料を節約できる場合もあります。
まとめ
自動車保険の住所変更は、任意保険・自賠責保険どちらにおいても速やかにお手続きが必要です。
特に任意保険では、住所変更に伴ってお車の「主な使用地」や「使用目的」、「ナンバープレート(登録番号・車両番号)」などが変わる場合、一般的に保険会社への通知義務があります。通知を怠ると、契約解除の可能性や、保険金が支払われないなどの不利益を被る可能性があるため注意しましょう。また、住所変更をしないままだと、満期の案内が届かず自動車保険に加入していない状態になるリスクもあります。
当社では、マイページから24時間いつでも住所変更のお手続きが可能です。スマートフォンやパソコンからカンタンに操作できるため、引っ越しが決まったら早めの対応をおすすめします。
さらに、住所変更の際には、契約内容の見直しもおすすめします。例えば、転居を機に家族構成が変わり、お車を運転する人が減る場合は、運転者の範囲を見直すことで保険料を抑えられる可能性があります。
住所変更を忘れずに行い、新しい環境でも安心して運転を続けられるようにしましょう。
補償される運転者の範囲を見直して節約
監修:原 絢子
FPサテライト株式会社所属FP。大学卒業後、翻訳・編集業務に従事。金融とは無縁のキャリアを積んできたが、結婚・出産を機にお金の知識を身につけることの大切さを実感。以来、ファイナンシャルプランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。自分の人生を自分でコントロールするためには、お金について学ぶことが必要との思いから、執筆・監修、セミナー講師などを通して、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。
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資格情報:AFP・2級ファイナンシャル・プランニング技能士