自動車保険の車両保険は故障時も利用できる?保険が使えるケースについて解説

2025年5月22日

「自動車保険は事故のときだけに利用できるもの」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。確かに自動車保険の車両保険は事故に備える保険で、経年劣化による故障時などには利用できません。ただし、自動車保険に付帯されるロードサービスは、故障などの万一のトラブル時にも利用することができます。
本記事では、車両保険の補償範囲やロードサービスのサービス内容について解説します。

自動車保険の車両保険は故障に備える保険ではない

自動車保険(任意保険)の車両保険は、事故による損害に備えるための保険です。お車の故障に備えるための保険ではないため、基本的に経年劣化やエンジンのトラブルなどの故障時の修理費には利用できません。

自動車保険の車両保険の補償範囲

車両保険とは、自動車保険の基本的な補償の一つです。衝突、接触などの事故によりご契約のお車に生じた損害を補償します。どのような場合に補償されるのか復習しておきましょう。

一般的に車両保険には、補償範囲が広い「一般」と、補償範囲を限定する代わりに保険料を抑えられる「限定(エコノミー)」の2タイプがあります(保険会社によって、名称が異なる場合があります)。

イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)の車両保険のそれぞれのタイプの補償範囲は、以下の通りです。

例えば、「お車との衝突」はどちらのタイプでも補償されますが、電柱との衝突など「単独事故」は限定タイプでは補償されません。
また、「台風・洪水・高潮」などの災害の場合はどちらのタイプでも補償されますが、「地震・噴火・これらによる津波」などの災害の場合はどちらのタイプでも補償されません。
&eの車両保険の補償範囲について、詳しくは以下をご覧ください。

車両保険の補償範囲の選び方

自動車保険の車両保険を使うときの注意点やポイント

自動車事故などによる損害で車両保険を使う場合には、注意すべき点がいくつかあります。特に注意したいのが、車両保険を使うと、翌年以降の保険料に影響が生じる点です。

例えば、台風によりお車が横転し、車両保険を利用して修理をした場合は、翌年の契約において、等級が1等級下がり、事故有係数適用期間が1年加算されます。一般的には、等級が下がると保険料が高くなります。

そのため、車両保険を使うかどうかは、車両保険を使ってまかなえる修理費と、車両保険を使った場合の翌年以降の保険料の増額分を比較して判断することをおすすめします。

車両保険を使う際の注意点について、詳しくは以下をご覧ください。

車の修理における自動車保険の賢い使い方は?補償範囲と保険を使う際の注意点を徹底解説

万一のトラブル時に利用できる自動車保険のロードサービス

故障の場合、車両保険を使うことはできませんが、自動車保険に付帯されるロードサービスは利用することができます。
ロードサービスとは、一般的に、お車のトラブル時に、24時間365日かけつけて対応してくれるサービスです。保険会社や契約内容によっても異なりますが、次のようなサービスがあります。

ロードサービスの例

  • レッカーサービス(自動車事故や故障などによりお車が動かなくなったときに、現場から修理工場などの場所までレッカーによるけん引を行う)
  • 引き上げ・引き降ろしサービス(落輪や縁石に乗り上げたときなどに、お車の引き上げ・引き降ろし作業を行う)
  • バッテリーのジャンピング
  • カギ開け
  • パンク時のスペアタイヤ交換
  • 燃料切れ時ガソリン配達サービス
  • 各種オイル、冷却水の補充
  • ボルトの増し締め
  • サイドブレーキの固着解除 など

&eなら、追加保険料なしでロードサービスを利用できます。
利用回数に上限はありませんが、作業内容によってはお客さまの費用負担が発生することがあるほか、燃料切れ時ガソリン配達サービスは保険期間中1回までとなっています。

また、「ロードサービスを呼ぶほどではないけれど困った……」というときに、電話でご利用いただける「故障相談サービス」や、知らない土地でお車が故障したときなどに、近くの宿泊先やレンタカー会社などの情報提供を受けられる「情報提供サービス」があります。なお、利用に伴い発生する費用の実費はお客さま負担となります。

&eのロードサービスについて詳しくは、以下をご覧ください。

ロードサービス

まとめ

車両保険は、基本的に経年劣化やエンジンのトラブルなどの故障時の修理費には利用できません。ただし、自動車保険に付帯されるロードサービスは、故障などの万一のトラブル時にも利用することができます。
自動車保険を選ぶ際は、車両保険の補償範囲やロードサービスの内容もチェックしておきましょう。

監修:竹国 弘城

1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。

資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)