自動車保険の「家族限定」で補償される運転者の範囲は?家族以外が運転した場合の扱いも解説
2024年3月8日(2026年10月29日更新)
子どもが親のお車を借りて運転するなど、家族間でお車を貸し借りして運転する機会がある場合は、自動車保険の運転者限定を適切に設定しておく必要があります。
本記事では、家族がお車を運転する際の運転者限定の選び方や、運転者の範囲を家族に限定する「家族限定」で補償される範囲について解説します。
家族が運転する際の「運転者限定」の選び方と各区分の補償範囲
家族が自動車保険を契約しているお車を運転する場合、補償される運転者の範囲がどのように設定されているかを確認しておく必要があります。運転者限定を設定していると、補償される運転者の範囲外となる方が運転して事故を起こした場合に補償されません。
運転する方が限られている場合は、運転者限定を設定して補償される運転者の範囲を限定することで、保険料を節約できることもあります。運転者限定を設定した場合、補償される運転者の範囲が限定され、限定された範囲の方がお車を運転中の事故に限り、保険金が支払われます。
運転者限定の区分や名称は各社によって異なりますが、「本人限定」「夫婦限定(本人・配偶者限定)」「限定なし」の3区分、または「家族限定」を含めた4区分であることが一般的です(詳しくは各社の公式Webサイトをご確認ください)。東京海上ダイレクト(以下、当社)では、「本人限定」「夫婦限定」「家族限定」「運転者限定なし」の4区分があります。
○:補償されます ×:補償されません
上図は当社の場合の例ですが、一般的にも、補償される運転者の範囲を限定するほど保険料は安くなります。
友人や知人なども運転する場合は、「運転者限定なし」を設定することによって、友人や知人を補償の範囲に含めることができます。
なお、運転者限定を設定する際は、運転者年齢条件についても正しく理解したうえで、適切な条件を設定するようにしましょう。
運転者年齢条件について詳しくは、以下のコラムをご覧ください。
自動車保険の年齢条件とは?保険料が安くなる見直しのタイミングも解説
当社における補償される運転者の範囲について詳しくは、以下のページをご覧ください。
補償される運転者の範囲について
一方、「家族限定」で補償される範囲はあらかじめ定められており、子どもや親族であっても補償されないケースがあります。
具体的にどの範囲まで補償されるのか、確認していきましょう。
「家族限定」で補償される運転者の範囲
自動車保険で「家族限定」を設定できる場合、補償される運転者の範囲は各社によって異なります。
当社では、運転者限定を「家族限定」に設定すると、補償される運転者の範囲が以下に限定されます。
- 主に運転される方(記名被保険者)
- 1の配偶者
- 1または2と同居している親族※3
- 1または2と別居している未婚の子
同居している親族とは、同一の家屋に居住する「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」をいいます。
「家族限定」は、補償される運転者の範囲が限定されている分、事故にあうリスクも低くなるため、運転者限定が「運転者限定なし」と比べると保険料も安く設定されています。
なお、自動車保険における「同居の親族」の範囲について、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
自動車保険における同居の親族とは?その補償範囲と注意点について
友人や知人、同居していない親族などが運転する可能性があるお車の場合は、補償される運転者の範囲を契約中の保険会社のWebサイトなどで確認し、運転者の範囲を適切に設定しましょう。
「家族限定」を設定する際の注意点
「家族限定」を設定する際に気をつけたいのが、「家族」の扱いです。
前述した通り、「家族限定」で補償される運転者の範囲に「別居している未婚※4の子」は含まれますが、「結婚し別居している子」は含まれません。
未婚とは、法律上の婚姻歴がないことをいいます。
結婚し別居している子どもが、帰省時に親のお車を運転するような場合は、運転者限定の設定が適切かどうか、今一度確認してみましょう。
子どもが運転する場合の自動車保険の補償について、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
子どもが運転中に事故にあったら自動車保険で補償される?同居・別居による違いも解説
例えば、親の自動車保険に「家族限定」をつけている場合、以下のような補償されるケース・補償されないケースがあります。
「家族限定」で補償されるケース
進学で一人暮らしをしている未婚の子が、長期休暇を利用して帰省し、その際に親のお車を運転して事故にあってしまった場合は、補償されます。就職を機に親元を離れ、一人暮らしをしている未婚の子が親のお車を運転中に事故にあってしまったときも、同様に補償されます。
「家族限定」で補償されないケース
結婚して別居している子どもが、長期休暇を利用して帰省し、その際に親のお車を運転して事故を起こしてしまった場合は、補償されません。
子どもが結婚したときには、子ども自身が加入している自動車保険と、親が加入している自動車保険を見直しましょう。結婚による自動車保険の見直しについて、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
夫婦で運転する場合の自動車保険はどうなる?補償される範囲や等級について解説
家族以外が運転する場合はどうすればよい?
運転者限定を「家族限定」に設定しているのに家族以外の方が運転して事故を起こしてしまった場合は、自動車保険の補償の対象外となります。それでは、ご自身が所有するお車を家族以外の方が運転する場合、具体的にどのような備えをしておけばよいのでしょうか?
運転者限定を変更する
まずは保険会社に連絡し、運転者の範囲に合った運転者限定を選択しましょう。子どもが帰省するお盆や年末年始などの一時的なお車の使用であっても、運転者限定を変更することができます。一時的なお車の使用にあわせて運転者限定を変更した場合は、使用後にもとの運転者の範囲へ戻すことも忘れないようにしましょう。ネット自動車保険(ダイレクト型・通販型)であれば、Webサイトで変更できるため、忘れずにお手続きしましょう。
「他車運転の補償に関する特約」で備える
お車を運転する「家族以外の方」が加入している自動車保険に「他車運転の補償に関する特約」(他車運転危険保険、他車運転危険補償特約、他車運転特約など、各社によって呼称が異なります)が付帯されていれば、「家族以外の方」が加入している自動車保険を使って補償できる場合があります。
当社では、すべての契約に「他車運転特約」がついています。当社の他車運転特約について詳しくは、こちらをご覧ください。
他車運転特約
「他車運転の補償に関する特約」は自動付帯となっていることが多いですが、念のためご契約の補償内容や特約の付帯状況を確認し、利用可能かどうかを把握しておくとよいでしょう。
「ドライバー保険」または「1日自動車保険」で備える
お車を運転する「家族以外の方」がご自身でお車を保有しておらず、自動車保険にも加入していない場合には、運転前に「ドライバー保険」や「1日自動車保険」などに加入してもらいましょう。
ドライバー保険は、運転免許証は持っているけれど、ご自身のお車は所有していない方のための保険です。
各社の補償内容は異なりますが、一般的な補償内容は以下の通りです。
- 対人賠償保険
- 対物賠償保険
- 人身傷害保険
- 搭乗者傷害保険※5
一般的に保険期間は1年間ですが、1年未満(1ヶ月など)や1年以上の契約が可能な場合もあります。
ドライバー保険と同様に、「お車を所有していないが運転免許証は持っている」場合や「旅行やレジャーで友人のお車を運転する機会が多い」という方に向けた保険として、「1日自動車保険」があります。
各社の補償内容は異なりますが、一般的な補償内容は以下の通りです。
- 対人賠償保険
- 対物賠償保険
- 搭乗者傷害保険※5
「家族以外の方」が日常的に他人のお車を運転する場合には「ドライバー保険」、たまの帰省で親のお車を借りる場合などは「1日自動車保険」が向いているといえるでしょう。
なお、当社にはドライバー保険、1日自動車保険の取り扱いはありません。
搭乗者傷害保険は、ご契約のお車に乗車中の方が死傷されたときに、契約時に定めた保険金額を定額で補償する「定額払」の保険です。名称は各社により異なる場合があります。
まとめ
家族でお車を共有する、または貸し借りして運転する機会がある場合は、運転する方に合わせて自動車保険の運転者限定を適切に設定しましょう。
運転者限定を「家族限定」に設定していても、主に運転される方(記名被保険者)およびその配偶者と同居していない親族(別居している未婚の子を除く)や、結婚して主に運転される方(記名被保険者)およびその配偶者と別居している子どもが運転して事故にあったなど、家族であっても補償されないケースがあるため、注意が必要です。
また、家族以外にお車を貸す必要が出てきた場合には、運転者限定の設定内容を確認し、必要に応じて運転者限定の設定を変更しましょう。
監修:竹国 弘城
1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office(ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。
資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)