自動車保険を乗り換えるときの注意点は?空白・重複期間による等級への影響も解説
2024年3月8日(2026年8月7日)
「保険料を抑えたい」「補償を充実させたい」などの理由で、現在加入している自動車保険から別の自動車保険への乗り換えを検討している方もいらっしゃるでしょう。しかし、「いつ乗り換えたらよいかわからない」と悩む方も少なくありません。
お手続きが遅れ、現在の自動車保険の満期日と新しい自動車保険の始期日との間に空白期間が生じてしまうと、等級の引き継ぎに影響が出たり、事故時に補償を受けられなかったりするおそれがあるため、注意が必要です。
今回は、自動車保険の乗り換えに関するメリット・デメリットを解説します。また、お手続きの際に注意すべきポイントや、保険期間の空白・重複が生じた場合の等級への影響も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
自動車保険の乗り換えはいつから考える?
一般的に、自動車保険の乗り換えは、現在加入している自動車保険の満期日に合わせてお手続きします。
自動車保険の補償内容や付帯サービス、保険料などは、保険会社によって異なります。乗り換え先を比較して検討するのに十分な時間を確保するため、自動車保険の乗り換えは、現在の自動車保険の満期日の約2ヶ月前から考えるとよいでしょう。
そして、自動車保険の乗り換えが必要かどうかは、以下で説明する「乗り換えのメリット・デメリット」を考慮したうえで、ご検討ください。
自動車保険を乗り換えるメリット
自動車保険を乗り換えると、以下のメリットがあります。
- 保険料を抑えられる場合がある
- 補償・サービスを充実させられる場合がある
- 新規契約の特典を受けられる場合がある
それぞれのメリットについて、詳しくみてみましょう。
保険料を抑えられる場合がある
自動車保険を乗り換えることで、保険料を抑えられる場合があります。
保険会社によっては、走行距離や使用目的、お車の使用状況などによって細かく保険料を算出しているため、同じ条件や補償内容でも安くなることがあります。
また、代理店を介さずにインターネットで申し込むネット自動車保険(ダイレクト型・通販型)を選択することで、代理店型より保険料を抑えることもできます。
ネット自動車保険と代理店型自動車保険の違いについて詳しく知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。
ネット自動車保険と代理店型自動車保険の違いは?メリット・デメリットを紹介
補償・サービスを充実させられる場合がある
自動車保険の補償やサービスは、各保険会社によって異なります。例えば、ロードサービスにおけるレッカーの無料けん引距離や、ガス欠時の対応などは各社さまざまです。
そのため、自動車保険を乗り換えることで、補償やサービスが充実する場合もあります。
新規契約の特典を受けられる場合がある
自動車保険を新規で申し込む際、新規契約のキャンペーンを実施していることがあります。キャンペーンに応募してプレゼントがもらえるなど、その内容は保険会社によって異なります。
なお、自動車保険の乗り換えにメリットを感じるものの、「保険会社が変わるとまた6等級からのスタートとなり、デメリットの方が大きいのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、満期日に合わせて乗り換えるなど、所定の条件を満たせば等級を引き継ぐことができます。そのため、自動車保険の乗り換え時期などに注意すれば、等級についてのデメリットが生じることはありません。
自動車保険を乗り換えるデメリット
自動車保険を乗り換える場合、次のデメリットがあります。
- 継続割引が受けられなくなる
- 補償・サービスの変更が伴うことがある
- お手続きに手間がかかる
自動車保険の乗り換えを考えている方は、デメリットを知ったうえで検討しましょう。
継続割引が受けられなくなる
前述の通り、所定の条件を満たせば、自動車保険を乗り換えた際に等級の引き継ぎができます。しかし、同じ保険会社で継続するご契約者の方に向けて継続割引制度を設けている保険会社もあります。その場合は、乗り換えることで割引を受けられなくなるので注意しましょう。
補償・サービスの変更が伴うことがある
メリットの説明の際にも触れましたが、同じような補償・サービスでも、保険会社によっては内容が異なることがあります。
例えば、提携している修理工場は保険会社ごとに異なります。乗り換え先の保険会社では、近隣に提携修理工場がなく、事故が発生した際に修理先の選択肢が限られる可能性があります。
このように、自動車保険の乗り換えによって、今まで受けられていた継続割引などが適用されなくなったり、補償・サービスの変更が伴ったりすることもあるので注意が必要です。
お手続きに手間がかかる
自動車保険を乗り換えるためにはお手続きが必要なので、必ず手間や時間がかかります。乗り換え先の保険会社を検討するのも、ある程度の時間や手間を要するでしょう。
また、自動車保険には対面で説明を受けられる「代理店型」と、ご自身でお手続きを行う「ネット型(ダイレクト型・通販型)」があります。ネット自動車保険の場合は、ご自身のペースで比較・検討できる一方で、お手続きの内容をご自身で確認して進める必要があります。
自動車保険の乗り換えで気をつけるべきポイント
以下では、自動車保険の乗り換え時に気をつけるべきポイントを解説します。
- 適切なタイミングで乗り換える
- 保険期間の「空白期間」「重複期間」を作らないようにする
- 等級を引き継げる期間に注意する
- 告知事項を正確に申告する
4つの注意点について、詳しくみてみましょう。
適切なタイミングで乗り換える
一般的に自動車保険を乗り換えるタイミングとして適しているのは、現在の契約の満期日に合わせた乗り換えです。この時期を逃すと、等級の進行に影響が出る可能性があります。
乗り換えのお手続きは「満期日の前日まで」には完了させておきましょう。自動車保険の乗り換えのタイミングについて、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
自動車保険の乗り換えタイミングはいつがいい?等級の引き継ぎについても解説
なお、満期日を待たずに保険期間の途中で解約し保険会社を乗り換える場合は、新しい自動車保険でも1年間は同じ等級が適用されます。そのため、満期日に合わせて乗り換える場合と比べて、等級が上がるタイミングが遅れる点に注意が必要です。
自動車保険を解約する際のそのほかの注意点については、以下のコラムをご覧ください。
自動車保険(任意保険)は途中で解約できる?等級の引き継ぎや返金について解説
保険期間の「空白期間」「重複期間」を作らないようにする
自動車保険を乗り換える際は、保険期間の「空白期間」と「重複期間」に注意しましょう。
空白期間とは、現在の自動車保険の満期日と新しい自動車保険の始期日の間が空き、自動車保険の補償が受けられない期間のことです。
例えば、現在の自動車保険の満期日が1月1日で新しい自動車保険の始期日が1月5日になっている場合、空白期間が生じ、この間に事故が発生した際はどちらの自動車保険でも補償されません。
新しい自動車保険の始期日が、現在の自動車保険の満期日と同日になっているか必ず確認しましょう。
反対に、保険期間の重複にも気をつけましょう。重複契約の場合、万一、事故が発生した際はいずれかの自動車保険で補償されます。ただし、保険期間が重複していると、原則として等級を引き継ぐことができないため注意が必要です。
また、重複している期間は両方の保険会社に対して保険料が発生します。重複に気づいた場合は速やかにお手続きしましょう。
等級を引き継げる期間に注意する
自動車保険の乗り換えで等級を引き継ぐ場合、新しい自動車保険の始期日は、現在の自動車保険の満期日・解約日の翌日から起算して7日以内にスタートしなければなりません。
定められた期限までに保険を開始できなかった場合は、等級が引き継げない可能性があります。
廃車などにより新しい自動車保険の始期日までに8日以上の日数が空いてしまう場合は、保険会社に「中断証明書」の発行を依頼して保管しておきましょう。
中断証明書を取得しておけば、現在の自動車保険の満期日(解約の場合は解約日)または、出国日のいずれか遅い日の翌日から起算して10年以内の日に新しい自動車保険の始期日を設定すれば、新しい自動車保険で等級を引き継げます。
ただし、等級やお車の状況などにより中断証明書が発行できない場合があります。中断証明書を発行するための条件は保険会社により異なるため、中断証明書の発行を検討している場合は事前に確認しておくとよいでしょう。
なお、デメリット等級と呼ばれる5等級以下の場合は、現在の自動車保険の満期日・解約日の翌日から起算して7日を過ぎても等級を引き継ぐ必要があります。
告知事項を正確に申告する
乗り換え時に限った話ではありませんが、自動車保険に加入する場合、契約者の方には「告知義務」があります。
告知義務とは、「危険に関する重要な事項」として保険会社が告知を求める重要な事項(告知事項)について、契約者の方が事実を正確に告知することです。一般的に、主な告知事項は以下の通りです。
- 主に運転される方(記名被保険者)の氏名、生年月日(年齢)、運転免許証の色
- お車の登録番号、型式、用途・車種、初度登録年月、所有者氏名、使用目的
- 前契約の保険会社名、証券番号、等級、事故の有無 など
なお、正しく告知しなかった場合、契約は解除され、保険金が支払われない場合があります。
ご契約の際は、告知事項を正確に申告するようにしましょう。
自動車保険の乗り換え手順
満期日に合わせて自動車保険を乗り換えるには、以下のようなお手続きが必要です。
- 乗り換え先の保険会社を決める
- (提出書類がある場合)書類を乗り換え先の保険会社に提出する
満期日に合わせて自動車保険を乗り換える場合は、基本的に解約の連絡は必要ありません。ただし、自動継続の特約をつけている場合や満期日を迎える前に乗り換える場合は、継続しない旨を連絡する必要があります。
乗り換え手続きの詳細は保険会社によって異なりますが、一般的に必要な書類や情報は以下の通りです。お手続き時に手元に用意しておきましょう。
- 契約するお車の自動車検査証(車検証)
- 保険証券(証券番号がわかるもの)
- 運転免許証
- 積算走行距離計の値(オドメーター値)
- 中断証明書(契約を中断していた場合)
手順について、詳しくは以下をご覧ください。
ネット自動車保険乗り換え(切り替え) かんたんガイド
まとめ
自動車保険の乗り換えを検討する際は、今回お伝えしたポイントをしっかりおさえ、ご自身にとって最適な方法と順序で乗り換えましょう。
自動車保険の乗り換えのお手続きが遅れて保険期間に空白期間が発生すると、その間に事故が起きた場合は補償されません。また、新しい自動車保険の始期日は、現在の自動車保険の満期日(解約した場合は解約日)の翌日から起算して7日以内に設定する必要があります。8日以上空いてしまうと、これまでの等級を引き継げないため、乗り換え前にスケジュールを確認し、余裕を持ってお手続きを進めましょう。
監修:竹国 弘城
1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。
資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)