自賠責保険とは?任意保険との違いをわかりやすく解説!
2024年3月8日(2026年9月10日更新)
お車の保険は、大きく分けて2種類あります。加入が義務付けられている「自賠責保険・自賠責共済(以下、自賠責保険)」と、ご自身の意思で加入する「任意保険」です。
任意保険に加入していなくても罰則の対象にはなりませんが、お車を運転するなら任意保険には加入していた方が安心です。今回は、自賠責保険と任意保険の違いや、任意保険が必要な理由を解説します。
自賠責保険とは
自賠責保険(強制保険)とは、「自動車損害賠償責任保険」の略称です。 自動車損害賠償保障法により加入が義務付けられており、交通事故の被害者救済を目的とした社会保障的な性格を有する保険です。
自賠責保険の補償範囲
自賠責保険では、被害者のケガ、後遺障害または死亡による損害のみが補償されます。事故により相手方の物(自動車など)や、ご自身のケガや死亡による損害が発生することも考えられますが、それらの損害は自賠責保険では補償されません。
また、補償額に上限が設けられています。そのため、損害状況によっては自賠責保険のみでは補償が十分でない場合があります。
自賠責保険の補償内容と支払限度額は、以下の通りです。
自賠責保険の補償内容
| 支払限度額(被害者1名あたり) | |
|---|---|
| ケガによる損害 | 最高 120万円 |
| 後遺障害による損害 | 最高 4,000万円 (障害等級による) |
| 死亡による損害 | 最高 3,000万円 |
自賠責保険に未加入のお車を運転するとどうなる?
自賠責保険に未加入のお車を運転した場合、たとえ事故を起こさなかったとしても、以下の罰則が科せられます。
- 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
- 交通違反に伴う違反点数(6点)の加算および免許停止処分
また、運転する際に自賠責保険の証明書を所持していない場合は、30万円以下の罰金が科せられます。
自賠責保険と任意保険の違い
自賠責保険と任意保険の主な違いは、以下の通りです。
- 加入義務の有無
- 補償の範囲
任意保険の必要性を考えるうえで、まずは自賠責保険と任意保険にはどのような違いがあるのかを詳しく見てみましょう。
加入義務の有無
自賠責保険は、自動車損害賠償保障法により加入が義務付けられている保険です。正式には自動車損害賠償責任保険または自動車損害賠償責任共済を指します。
一方、任意保険は加入するか否かを運転者自身が選択できます。
補償の範囲
前述の通り、自賠責保険の補償範囲は、被害者のケガ、後遺障害または死亡による損害のみです。相手方の物(自動車など)や、ご自身のお車やケガに対する補償はされません。
自賠責保険の保険料は、車種や保険期間によって定められています。補償内容に差はなく、どの保険会社で加入しても保険料は同じです。
一方、任意保険は、相手方への補償のほか、ご自身のお車やケガなどに対する補償を組み合わせることができます。
自賠責保険と任意保険の補償範囲の違いは、以下の通りです。
任意保険の補償の範囲は、保険会社や商品・契約条件により異なります。支払限度額等がある場合がありますので、ご注意ください。
任意保険は、さまざまな特約を組み合わせることで、補償の範囲を広げたり、狭めたりすることができるため、リスクに応じて補償内容を選ぶことができます。また、任意保険には保険会社による示談交渉サービスがついています。
さらに、任意保険には自賠責保険の「一括払」という制度があります。この制度では、任意保険会社が窓口となり、自賠責保険と任意保険の補償金をまとめて被害者にお支払いします。これにより、被害者は手続きが簡単になり、迅速に補償を受け取ることができます。
支払い後、任意保険会社は、自賠責保険金相当額を自賠責損害保険会社(共済組合)へ請求します。この制度により、事故発生時には被害者への対応がスムーズに行われます。
任意保険は万一の事故に備える「お守り」である
自賠責保険に加入していれば、被害者のケガ、後遺障害または死亡による損害は自賠責保険の支払限度額まで補償されます。しかし、損害賠償額が高額になり、自賠責保険の補償では不十分な場合もあります。また、前述の通り自賠責保険では相手方の物(自動車など)、ご自身のお車やケガに対する補償はありません。
誤って人をはねて死亡させてしまったり、重い後遺障害を負わせてしまったりした場合、加害者は億単位の損害賠償額を請求されることもあります。また、他人にケガを負わせていなくても、他人の物を壊してしまった場合には損害賠償責任が発生します。
もしも任意保険に加入していなかったら、自賠責保険で補償されない範囲や自賠責保険の支払限度額を超える部分の賠償金は、自己負担によって支払わなくてはなりません。すぐに支払うことができない場合、賠償金を長期にわたり返済したり、強制執行により不動産や給与などを差し押さえられたりすることになります。
保険とは、万一の事故に備えるためのものです。事故にあった場合のリスクを軽減するためには、任意保険に加入しておくべきでしょう。
まとめ
お車を運転する際、交通事故にあう可能性は誰にでもあります。自賠責保険は被害者のケガ、後遺障害または死亡による損害のみ補償され、かつ支払限度額があるため、事故によっては補償が十分でない場合もあります。
任意保険の役割は、自賠責保険でカバーできない部分を補償することです。また、任意保険に加入していれば相手方との示談交渉は損害保険会社が行うため、ご自身の負担も軽くなります。
万一の事故に備えて、任意保険に加入しておきましょう。
監修:竹国 弘城
1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。
資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)