自動車保険会社が、なぜ“歩くとマイルが貯まるアプリ”を?

2022年11月25日

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「ノルク」は2024年10月31日をもってサービスを終了しました。

2021年12月にイーデザイン損保は&e(アンディー)の取り組みの一つとして、移動するだけでマイルがたまるアプリ「ノルク」をリリースしました。

Miles Japan社とタッグを組んで実現したこの「ノルク」は、移動手段がエコであるほどより多くのマイルがたまりやすくなっており、歩いて移動すると、車での移動に比べてなんと10倍のマイルがたまります!
つまり、車を使わず自転車や徒歩で移動した方がよりお得なのです。

なぜ自動車保険会社が、わざわざ徒歩や自転車を推奨するアプリを提供するのか。そこには「事故のない世界をつくりたい」という本気の想いが込められています。

今回は、ノルクを担当する遠藤さんに、アプリの概要やリリースした経緯、ノルクに込めた思い、今後の展望などについてお話を聞きました。

よりエコでより健康な移動手段を

自動的に移動が記録されマイルが貯まります。

「ノルク」は移動した距離と手段に応じてマイルがたまり、たまったマイルは様々な特典に交換できるスマートフォン向けアプリです。アプリをダウンロードし、位置情報を共有することで、自動的に移動距離と移動手段が記録され、マイルが付与されます。

移動手段は、マイレージアプリ「Miles(マイルズ)」のAI技術が判定します。たまったマイルに応じて、ノルクと提携している企業の商品やサービス、寄付活動などさまざまな特典に交換することができます。

遠藤さん:自動車保険の会社として「事故のない世界」を実現させるための取り組みをいろいろ模索するなか、自動車だけでなく、公共交通機関や歩いている人、走っている人、それら全部を含めて安全な交通社会が形作られているのではないか、という大きな考え方が生まれてきました。

そこで、あらゆる移動手段に関わっていけるような取り組みとはなんだろうと考えたときに、「健康」や「エコ」な移動手段を推奨するMilesの思想に共感をしました。健康でないとそもそも安全運転はできませんし、Milesは自動車以外の移動手段を使う人たちにも関わることのできる仕組みを持っていたことから、ぜひパートナーを組みたいという提案をさせていただきました。

Miles Japanさんにもイーデザイン損保が目指す「事故のない世界」という部分に共感していただき、Milesの仕組みを使ったオリジナルアプリの開発が実現しました。

ノルクで事故を減らしたい!

ノルクの移動手段ごとのマイル付与率

&eは、自動車を安全に運転することでハート(ポイント)がたまる仕組みを持っていますが、ノルクのマイル付与率は、徒歩やランニングの場合は、移動距離の10倍、自転車の場合は5倍、自動車は1倍となっています。
より健康でエコな移動手段の方がマイルをためやすいのです。自動車よりも徒歩や自転車を推奨するアプリを、なぜ自動車保険会社がわざわざ提供するのでしょうか。

遠藤さん:ノルクが広まって自動車の利用が少なくなると、走行距離が短くなり、結果として保険料が安くなるので、保険会社としては儲かりません。

でも、例えば近所のお店へ行くときに、「普段は車で行くけど歩いた方がマイルがたまるから歩こう」というように、ノルクをモチベーションにしてより最適な交通手段を選んでいただきたい。そうすることで、健康になりながら事故を減らす、渋滞を減らすことで事故を減らすといった流れが生まれてくるからです。

「事故のない世界」と言っても、お客さまの中には「本気で言っているのか」「保険を売るためではないか」と懐疑的に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

そうしたお客さまにも、保険会社として利益が減ったとしても、事故が少しでも減ればそれでいいというわたしたち&eの本気度を、ノルクを通して伝えたいと思います。

ノルクがもたらす生活への変化

ノルクを活用したプロギング(ジョギング+ゴミ拾い)イベントを実施

ノルクのダウンロード数は現在約2万5,000。イーデザイン損保のお客さまをはじめ、ポイ活が好きな層などを取り込みながら、じわじわと広がっています。実際にノルクを使ってみることで、生活にどんな変化がもたらされるのでしょうか。

遠藤さん:歩いた方がマイルがたまるので、普段の移動手段に変化が生まれます。ユーザーさんからは「普段の通勤で車を使っているけど、マイルがたまるので電車で行ってみました」「ノルクをきっかけに週末のウォーキングを再開しました」といったお声をいただいています。

歩いたり、走ったり、公共交通機関を使ったりすることのモチベーションの一つになっているようで、そもそも活動自体が活発になるという効果も生まれているようです。

アプリのローンチ前には、スニーカーメーカーのニューバランスと渋谷区 との共同企画として、街中のゴミ拾いをするというイベントも開き、その場でノルクを使っていただきながらマイルがたまっていくのを実感してもらうことができました。

自治体や企業とのコラボを推進

静岡県浜松市で行われた「まちなかスポーツフェスティバル」にも出店しました。

ノルクを通して「事故のない世界」を作るために、今後どんな取り組みが予定されているのでしょうか。

遠藤さん:地方自治体や企業との連携を進めていきたいと思っています。企業の場合は、福利厚生の一環として、健康増進アプリとして使っていただくことを想定しています。また、例えばバスの利用を促進したい自治体で利用を促すツールの一つとして試験的に導入していただけないかという話も進めています。

ノルクのマイルと交換できる特典に、安全な交通社会を意識してもらえるものを増やしていくことも考えています。自動車だけでなく、自転車を使う人にも安全な運転を意識してもらえる特典なども検討しています。

将来的には匿名化した移動データの分析によって、事故の抑止につなげていきたいという期待もあります。

ノルクは車に乗る人にも歩く人にも使ってもらえる裾野の広いアプリです。「マイルがたまるからお得」というきっかけでも構わないので、ぜひたくさんの方に使っていただき、イーデザイン損保の取り組みを少しでも知っていただければと思います。

楽しみながら少しずつ健康になって、一緒に「事故のない世界」を作っていきましょう!

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