地方の交通課題解決に! 「乗らず嫌い」を解消するチャレンジ

2022年12月23日

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「ノルク」は2024年10月31日をもってサービスを終了しました。

「近所での買い物にもついつい車を使ってしまう」「バスや電車での移動は面倒くさそう」―。車移動が当たり前の環境に住んでいると、車以外の交通手段を使う機会は少なくなりがちです。

電車やバス、自転車など自動車以外の手段を使う機会を増やすことは「事故のない世界」の実現への第一歩になるのではないか。
そう考えたイーデザイン損保は、静岡県浜松市とタッグを組んで、移動するだけでマイルがたまるスマートフォンアプリ「ノルク」を使った「ノルクチャレンジ」を開催しました。

ノルクチャレンジが目指すもの、チャレンジに参加した人たちの意識変化などについて、担当者の遠藤さん、茂谷さんにお話を聞きました。

遠藤 里茶(えんどう りさ)/CX推進部

東京海上日動火災保険にて資産運用部門を経験したのち、2020年にイーデザイン損保に入社。現在はCX推進部にてマイレージアプリ「ノルク」や&eの保険代理店を介した販売促進等の業務に従事している。

茂谷 逸平(もたに いっぺい)/CX推進部

広告制作会社のプランナー職を経て2021年5月にイーデザイン損保に入社。事故のない世界を目指すためのプロジェクト「SafeDriveWith」の企画推進を担当。様々な企業や自治体、研究機関と共創しながら事故を減らすための取り組みを進めている。

電車やバスを使わないのは「乗らず嫌い」!?

ノルクチャレンジ期間中における各移動手段の利用頻度の変化

ノルクチャレンジとは、スマートフォンアプリ「ノルク」を使って、期間中にどれだけ多くのポイントを集められるかを参加者間で競うイベントです。ノルクは、車よりも徒歩や自転車、バス・電車を利用した方が、より効率良くポイントがたまります。

参加者アンケートの結果をみると、チャレンジ期間中に利用が増えた交通手段は「電車」が33%、「徒歩」「路線バス」がそれぞれ28%でした。
さらに、96%がチャレンジ後も電車・バスを利用したいと回答しました。

遠藤さん:ノルクチャレンジをきっかけに、電車やバスの良さを体験してもらえたのが何より良かったです。これまで電車やバスを利用していなかった人から「使ってみると意外といい」という感想をいただき、利用する機会がないまま“乗らず嫌い”だったという発見がありました。参加者のうち、これまで電車やバスを利用していなかった人たちのほとんどが、チャレンジ後も電車やバスを使いたいとおっしゃっているので、ノルクが行動変容を促すだけでなく、今後の継続にもつながる役割を果たせたのだと思います。

茂谷さん:チャレンジ前は、バスや電車は不便だから使っていないのかと考えていましたが、“乗らず嫌い”というのは予想していなかったですね。交通手段の選択行動に関して新しい示唆が得られたのも大きな成果でした。

10〜70代の120人がチャレンジに参加

ノルクチャレンジ参加者の声

今回のノルクチャレンジは2022年9月5日〜19日の15日間にわたって、浜松市で開かれました。個人・チームを合わせて121人が参加。年代は10〜70代までと幅広く、個人参加が9割を占めました。
優勝賞品や参加賞のデパート商品券もマイルをためるモチベーションにもなったようです。
参加者からは「電車は渋滞や信号待ちなどのストレスがない」「バスは外の景色がゆっくり見られる。意外と運賃が安かった」など、公共交通機関の利点をあげる声が寄せられました。

遠藤さん:期間中はLINEオープンチャットを使って、会話や中間発表をするなど相互的なコミュニケーションの仕掛けを作りました。待ち時間にこっそりできるエクササイズの動画など、電車やバスの利用が楽しくなるコンテンツも用意しました。

バスや電車を利用した方は「渋滞のストレスがない」「本を読む時間ができた」など、乗ってみて初めて感じられる体験をする機会になったようです。
ほとんどの参加者がノルクのことも知らない状態だったのですが、チャレンジを通して、イーデザイン損保が保険会社の枠を飛び出して交通課題に取り組んでいることを知ってもらえたのもうれしかったですね。

デジタルの力で交通課題に取り組む

ノルクチャレンジのチラシ

今回タッグを組んだ浜松市は、2021年の人口10万人当たりの人身交通事故発生件数が政令指定都市の中で最多でした。13年連続ワースト1位という記録が「超・車社会」の一端を表しています。
このような状況の中で「デジタルの力で交通課題に取り組みたい」という両者の想いが一致してこのノルクチャレンジが実現しました。

茂谷さん:浜松市は都市と山間部が隣接していて、地方自治体が備えるさまざまな特徴を併せ持っています。以前からデジタル技術を活用して交通課題へ積極的に取り組まれていたこともあり、高齢者の移動寿命促進など市の交通課題の解決にノルクが寄与できるのではないかと提案し、チャレンジの舞台として協力いただきました。

遠藤さん:チャレンジ参加者を対象にしたアンケート結果や参加者の声などは、浜松市にもフィードバックしています。今後は、地元の企業や周辺自治体を巻き込んだ展開も考え、浜松市とディスカッションを続けているところです。
浜松市は「交通事故を減らしたい」という強い想いを持っているので、事故のない世界の実現に向けた取り組みをこれからも一緒に継続していきます。

ノルクを意識変容のきっかけに!

浜松市でのノルクチャレンジは、車以外の交通手段を体験するきっかけづくりに寄与することができました。
チャレンジから得られたデータは、イーデザイン損保が持つ他のデータとも組み合わせることで、自治体が抱える交通事故のリスク因子の分析や危険箇所の絞り込みにも活用できます。

遠藤さん:今回のチャレンジのように、車以外の交通手段を使うきっかけをノルクが作ることはもちろんですが、チャレンジから得られたデータの活用にも期待しています。匿名化されたデータとイーデザイン損保が保有しているデータなどとを組み合わせることで、交通事故の危険度が高いポイントを見つけたり、利用者にとってより利用しやすいバス路線の改善につなげたりといった取り組みを進めることができると考えています。

ノルクチャレンジの第2弾、第3弾も計画していますので、今後も全国の交通課題を抱える自治体とタッグを組んで、ノルクの力で「事故のない世界」の実現に寄与していきたいです。

茂谷さん:今後は、ノルクチャレンジのデータだけでなく、「交通事故に注意すべき危ない場所」を知ることができる地図サービス「もしかもマップ」や&eから得たデータを組み合わせることで、より複合的な観点から事故のリスクの高い場所やリスク因子をあぶり出していくことが可能になると考えています。
イーデザイン損保の様々なプロダクトを組み合わせることで「事故のない世界」に近づくために、より精度の高い分析を目指していきたいと思います。

私たちが目指す「事故のない世界」は、車に乗る人だけでなく、交通社会にかかわる全ての人の協力なしには実現できません。
今後も自治体とタッグを組みながら、ノルクを通して、車以外の交通手段の良さを少しでも多くの人が体験できる機会を提供していきたいと思います。
私たちのチャレンジはまだまだ続きます!

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