廃車したら自動車保険(任意保険)はどうする?手続き方法や解約返戻金、等級を引き継ぐ方法まで解説
2026年9月10日
お車を廃車したときの保険のお手続きは、自動車保険(任意保険)と自賠責保険(強制保険)で異なります。
自動車保険では、ご契約のお車の変更、中断証明書の発行、解約など、廃車した後の予定に応じたお手続きが必要です。一方、自賠責保険は、廃車した時点ではなく、契約している保険会社(または共済)で解約手続きを行わない限り、解約されません。
本記事では、自動車保険と自賠責保険に分けて、廃車したときのお手続きについて解説します。
廃車したときの自動車保険(任意保険)のお手続き
自動車保険のお手続きは、廃車した後の予定に応じて異なります。
| 廃車した後の予定 | 自動車保険のお手続き |
|---|---|
| すぐに別のお車へ乗り換える場合 | 「お車の変更(車両入替)」のお手続きを行う |
| すぐには別のお車へ乗り換えないが、将来またお車に乗る可能性がある場合 | 現在の補償内容や等級、中断制度の条件を確認のうえ、解約または満期後に中断証明書の発行手続きを行う |
| 今後お車を運転する予定がない場合 | 解約返戻金の算出方法を確認のうえ、解約手続きを進める |
それぞれのお手続きについて解説します。
すぐに別のお車へ乗り換える場合
お車を廃車し、すぐに別のお車へ乗り換える場合は、お車の変更(車両入替)のお手続きが必要です。
お車の変更の条件を満たす場合、変更前(廃車したお車)の等級をそのまま引き継げます。お車の変更(車両入替)ができる条件やお手続きの方法、お手続きに必要な情報(新しいお車の車検証の情報など)は、契約している保険会社に確認しましょう。
すぐには別のお車へ乗り換えないが、将来またお車に乗る可能性がある場合
お車を廃車し、すぐには別のお車へ乗り換えないが、将来またお車に乗る可能性がある場合は、解約後、所定の期限内に、契約している保険会社から中断証明書を発行してもらいましょう。中断証明書とは、保険契約を中断する際に発行できる証明書です。
中断制度は、中断後の新たな契約において、中断前に適用されていた等級などを引き継いで再開できる制度です。お車を廃車・譲渡・リース返還により手放した場合や、海外赴任・留学などで海外に渡航する場合は、解約時や満期時に契約を一旦中断できます。
中断制度の利用には、自動車保険の中断証明書が必要です。自動的には発行されないため、ご契約者の方が保険会社に発行を依頼する必要があります。中断証明書の発行および適用条件は、契約している保険会社に確認しましょう。
中断証明書について詳しくは、以下のコラムをご覧ください。
自動車保険の中断証明書とは?等級などの引き継ぎ条件や注意点を解説
今後お車を運転する予定がない場合
お車を廃車し、今後お車を運転する予定がない場合は、解約返戻金の算出方法を確認したうえで、解約手続きを進めましょう。
保険期間の途中でも解約手続きは可能です。自動車保険を中途解約すると、指定した解約日以降は自動車保険の補償がなくなります。また、支払った保険料のうち、すでに経過した保険期間分の保険料を差し引いた金額が解約返戻金として返還されます。ただし、解約返戻金の算出方法は保険会社の商品ごとに異なり、未経過分の保険料よりも払い戻し保険料が少ない金額になることがあります。
解約する場合には、契約している保険会社に連絡してお手続きを行います。代理店型の自動車保険であれば、解約前にまずは代理店に相談しましょう。ネット自動車保険であれば、Webサイトまたは電話で保険会社に相談できます。
なお、保険終了日(満期日)をもって契約を継続しない場合は、解約手続きは必要ないことが一般的です。
自動車保険を中途解約する際は、補償がなくなる点や等級の引き継ぎに注意しましょう。中途解約時の注意点について詳しくは、以下のコラムをご覧ください。
自動車保険は途中で解約できる?等級の引き継ぎや返金について解説
廃車したときの自賠責保険(強制保険)のお手続き
自賠責保険は、廃車した後の予定にかかわらず、解約手続きが必要です。解約手続きは、契約している保険会社(または共済)の窓口で行います(代理店ではお手続きできません)。お車を廃車しても、保険契約(共済契約)は自動的には解約されませんので注意しましょう。
廃車に伴って自賠責保険を解約するには、廃車したことを証明するためのお手続きが必要です。例えば登録車(自家用普通乗用車・自家用小型乗用車など)を廃車した場合、抹消登録のお手続きが必要となります。自家用軽四輪乗用車を廃車した場合は、使用を一時中止する場合や解体した場合のお手続きなど、お車の種別や状況に応じたお手続きを行います。
自賠責保険を解約すると、残りの保険期間などに応じて、支払った保険料の一部が解約返戻金として返還される場合があります(保険期間の残りが1ヶ月未満の場合、解約返戻金はありません)。
なお、自賠責保険は、自動車損害賠償保障法により加入が義務付けられているものです。
ここからは、廃車したときの自賠責保険の解約方法や必要書類について詳しくみていきましょう。
自賠責保険(強制保険)の解約方法
自賠責保険の解約は、お車の状況に応じた廃車手続きを行ったうえで、契約している保険会社(または共済)で行います。主な解約方法は以下の通りです。
- 郵送
- Webサイト(One-JIBAI)
なお、One-JIBAIとは、自賠責保険のお手続きをWebサイト上で行うことができる業界共同型のサービスです。Webサイトでお手続きする際は、一般的に以下の流れで解約を行います。
- One-JIBAIで必要事項を入力する
- 必要書類をアップロードする
- 入力内容を確認のうえ申請する
一般的に、Webサイトでお手続きが完了するまでの期間は、当日~1週間程度、郵送の場合は2~3週間程度が目安です。お手続きの完了後、1週間~10日程度で指定の口座に解約返戻金が振り込まれます。
自賠責保険(強制保険)を解約する際の必要書類
廃車に伴い、自賠責保険を解約する際に必要な書類は、保険会社やお手続き方法(Web申請・郵送など)、お車の種別や状況によって異なります。主な必要書類の例は以下の通りです。
- 自動車損害賠償責任保険証明書
- お車を廃車したことが確認できる書類(登録識別情報等通知書・自動車検査証返納証明書など)
-
保険契約者本人であることを確認できる書類(必要な場合)
など
なお、郵送でお手続きする場合は、自動車損害賠償責任保険承認請求書など、保険会社所定の書類の提出が必要になることがあります。また、住所変更や改姓が伴う場合など、追加書類が必要となる場合もあります。
提出した書類に不備があると、お手続きに時間がかかる原因となるため、必要な書類が揃っているかを申請前によく確認しましょう。
まとめ
お車を廃車した際は、自動車保険と自賠責保険について、それぞれ状況に応じたお手続きが必要です。
自動車保険は、すぐに別のお車へ乗り換える場合は「お車の変更(車両入替)」、すぐには別のお車へ乗り換えないが、将来またお車に乗る可能性がある場合は「中断証明書の発行」、今後お車を運転する予定がない場合は解約返戻金の算出方法を確認したうえで解約手続きを進めましょう。
また、自賠責保険は、お車を廃車しただけでは自動的には解約されません。ご自身で解約手続きを行う必要があるので注意しましょう。
監修:竹国 弘城
1級FP技能士・CFP®
RAPPORT Consulting Office
(ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題についてみずから考え、行動できるようになってもらうための活動をおこなう。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。
資格情報: 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)