ブレーキオイル(ブレーキフルード)とは?仕組みや交換時期・費用を解説!

2023年10月18日

ブレーキオイル(ブレーキフルードをいう。以下同じ。)は、エンジンオイルと同様に定期的な交換が必要です。交換せずに乗っていると、ブレーキがフカフカした感触になったり、効きが弱くなったりしてとても危険です。そこで今回は、自動車における3大要素「走る」「曲がる」「止まる」のなかでも、安全運転のために最も重要な「止まる」に関連するブレーキオイルの仕組みや交換時期、交換費用について解説します。

ブレーキオイルとは

車には、オイルやフルードといったさまざまな液体が使われており、ブレーキオイルもその一つです。一般的な自動車には、油圧式ブレーキが採用されています。ブレーキペダルを踏むと、ブレーキキャリパー内のピストンが押し出され、ブレーキパッドがブレーキローターに押し付けられて、車のスピードを落としたり、停止したりするための制動力が得られます。

その際に重要になるのが、ブレーキキャリパー内のピストンを押し出す作動油「ブレーキオイル」です。ブレーキシステムは、ブレーキキャリパー・ブレーキローター・ブレーキパッド・配管(ブレーキライン)などで構成されていますが、ブレーキオイルは制動力を伝える重要なオイルです。

車を止めるために重要なブレーキオイルには、グリコール系、シリコーン系、鉱物油系などの種類があります。現在は、特性に優れているグリコール系が主流となっています。

また、ブレーキオイルは、日本工業規格(JIS)により『自動車用非鉱油系ブレーキ液』として性能によって規格が定められており、BF-3、BF-4というように製品に表記されています。米国連邦自動車安全基準(FMVSS)で定められたDOT規格もあります。例外はありますが、BF-3とDOT3、BF-4とDOT4のように両方の規格が併記される場合が多くみられます。基本的には数字が大きいほど沸点が高く性能がよいとされています。交換する場合は新車時と同等の製品を選べば問題ありません。

ブレーキオイルの交換が必要な理由とその時期

ブレーキオイルは吸湿性があり、長期間使用していると空気中の湿気を液内に取り込んで性能が低下します。湿気を吸ってしまうと沸点が下がるため、ブレーキから沸点を超えるほどの熱が伝わったときに沸騰して気泡ができ、圧力の伝達を阻害します。これは「ベーパーロック」と呼ばれる現象で、こうなるとブレーキペダルを踏んでも正確に力が伝わらず、ブレーキが効かなくなってしまうのです。つまり、劣化したブレーキオイルを使い続けると、ベーパーロック現象を引き起こしやすくなり、結果、ブレーキが効かず大事故につながる危険性が高くなるというわけです。

長期間ブレーキオイルを交換しないと、ブレーキを踏んだときに「フカフカする」「踏み心地が安定しない」といったことがありますが、これはブレーキオイルが劣化しているサインです。

一般的に、ブレーキオイルの交換時期は2~4年と言われています。クルマの種類や使用頻度、使用状況によっても変わってきますが、自動車における3大要素のひとつ「止まる」を担う重要な項目となっていること、そしてブレーキオイルは劣化の具合が分かりにくいことから、車検ごとに交換するケースが多くなっています。また、サーキット走行するようなスポーツカーの場合は、BF-5やDOT5といった沸点の高い製品を使い、かつ年1回ほどの頻度で交換するというケースもあります。

ブレーキオイルはどこで交換したらよいか?また、その相場は?

ブレーキオイルは、カーディーラーだけでなく、自動車整備工場やカー用品店、ガソリンスタンドでも交換可能です。交換工賃は、4,000~5,000円程度が相場となっています。車検のときに交換する場合は割引きをしてくれる場合もあるので、あくまで目安とお考えください。

ブレーキオイル自体は、500ミリリットル缶または1リットル缶で販売されていることが多く、値段は、純正品の場合で1リットル2,000円程度、アフターパーツメーカーが販売している高性能なものでは1リットル3,000~5,000円程度というのが相場です。つまり、工賃とブレーキオイル代を合わせて10,000円前後というのが交換にかかる費用となります。

また、自分でブレーキオイルの交換をすることも可能です。しかし、フレアナットレンチなどの特殊な工具のほか、エア抜きをするときの人手が必要になります。ブレーキオイルは塗装を侵食しやすく、エア抜きが十分でない場合は、劣化していなくてもベーパーロックが発生しやすくなってしまうため、自信がない場合は業者に依頼するのが無難です。ブレーキ関連は重要保安部品なので、確実なメンテナンスが求められます。

まとめ 
~車検ごとの定期的な交換が安全運転の基本~

ブレーキオイルの重要性をご理解いただけましたでしょうか。

ブレーキオイルは、自動車を構成する重要なパートです。しっかりメンテナンスしているかどうか、作業記録などを確認し、自分で把握しておくことが安全で快適なカーライフを送るうえで大切なこととなります。ブレーキオイルの経年変化はわかりづらいので放置しがちですが、1万円前後で手軽に点検・交換できるので、車を購入したカーディーラーや整備工場のほか、カー用品店やガソリンスタンドに相談してみるとよいでしょう。

本記事の情報は2023年9月末時点での内容です。

監修:三木宏章

月刊自動車雑誌の編集者としてキャリアをスタート。編集プロダクションにて約7年間、チューニングカー雑誌を担当するなどをしたのちに、現在はコンテンツディレクター兼ライターとして活動中。自動車業界はもちろん、日本のものづくりを支える製造業のコンテンツ企画・ライティング実績も豊富。