軽自動車検査協会とは。協会の役割や利用するのはどんなとき?

2024年1月17日

所有している軽自動車の名義を変更したいときや、車検証にある住所から転居したとき、車検証の再交付が必要なときなどはすみやかに手続きしましょう。

軽自動車検査協会は、こうした軽自動車に関する手続きに対応している場所です。

本記事では軽自動車検査協会とは何か、どのようなシーンで利用するかを解説します。軽自動車の車検で必要な手数料や車検の申し込み方法も紹介するので、軽自動車をお使いの方は参考にしてください。

軽自動車検査協会とは

軽自動車検査協会は、軽自動車の新規登録や車検の更新、ナンバープレートの交付、車検証の記載内容に変更があった際などに手続きする場所です。

全国に存在し、手続きは主に車を使用する場所を管轄する事務所・支所で行います。

協会の役割

軽自動車検査協会は、軽自動車の安全性を確保するため1972年に大臣の認可を受けて設立されました。

1987年からは民営化し、国に代わって軽自動車の検査事務を実施しています。

事業内容

軽自動車検査協会の事業内容は、軽自動車の名義や車検に関する手続き、納税、保険契約の事務などです。

(例)軽自動車検査協会が対応している事業内容

  • 軽自動車の取得や名義変更があったときの手続き
  • 軽自動車の車検
  • 軽自動車のナンバー変更
  • 軽自動車にかかる税金の納付を確認する事務
  • 軽自動車の自動車損害賠償責任保険契約や自動車損害賠償責任共済契約の締結を確認する事務

陸運局との違い

軽自動車検査協会が対応している車検や税金などに関する事務は、軽自動車のみです。その他の車は、陸運局(地方運輸局)が対応しています。

ただし、軽自動車に関する手続きでも、貨物軽自動車運送事業を始めるときや事業内容変更の届け出は軽自動車検査協会で対応できません。

貨物軽自動車運送事業の手続きは陸運局に届け出たのち、車検証やナンバープレートの交付は軽自動車検査協会で行います。

軽自動車検査協会は何をするところ?利用シーンは

軽自動車検査協会では、軽自動車に関するさまざまな手続きに対応しています。利用シーンは、軽自動車の名義が変わったときや車検の更新をするときなどです。

ただし、軽自動車検査協会の窓口は平日しか開いていません。平日に窓口へ行けない場合は、委任状を用意すれば代理人でも手続きできます。

軽自動車の名義変更手続き

軽自動車の購入や譲渡で使用者や所有者が変わった際に名義を変更する手続きは、軽自動車検査協会で行います。

手続きには申請に必要な書類とともに、新しく使用する方の住所を証明する書類が必要です。

新しく使用する方が個人の場合は、住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)、または印鑑証明書を用意しましょう。法人の場合は商業登記謄本、登録事項証明書、印鑑証明書のいずれかを用意します。

なお、新しく使用する方の住所を証明する書類はコピーでも構いませんが、3ヶ月以内に発行したものを用意しましょう。

名義の変更で軽自動車を使用する場所を管轄する地域も変わる場合は、ナンバープレートの変更も必要です。軽自動車のナンバープレート変更も、軽自動車検査協会で行います。

具体的な手続きの流れについては、このあとの「名義変更、希望ナンバー交付までの手続きの流れ」内で説明しています。

住所変更手続き

車検証に記載されている住所から転居した場合、変更する手続きは15日以内に行う必要があります。新しく車を利用する場所を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所で手続きしましょう。

手続きには申請に必要な書類とともに、軽自動車を使用する方の新しい住所を証明する書類が必要です。

軽自動車を使用する方が個人の場合は、住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)、または印鑑証明書を用意しましょう。法人の場合は、商業登記謄本、登録事項証明書、印鑑証明書のいずれかを用意します。

なお、住所を証明する書類はコピーでも構いませんが、3ヶ月以内に発行されたものが必要です。

軽自動車の車検

軽自動車の車検も、軽自動車検査協会が対応しています。車検には「新規検査(新車)」「新規検査(中古車)」「継続検査」などがあり、「車検」は「継続検査」を指すケースが一般的です。

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新規検査(新車) ナンバープレートがまだ交付されていない軽自動車を使い始めるときの検査
新規検査(中古車) かつて使われていたが使用を中止していた軽自動車を、再び使い始めるときの検査
継続検査 今使っている軽自動車の車検が有効期限を迎えたあとも乗り続けるときの検査

そのほか、軽自動車の構造を変更した際の検査や、販売店などが扱う軽自動車を使用者が決まる前に受ける検査も軽自動車検査協会が対応しています。

継続検査(車検)の申し込み方法については、このあとの「車検の申し込み方法」内で説明しています。

軽自動車の廃車手続き

軽自動車の使用を一時的に中止する際や、解体して処分する際に必要な廃車の手続きも、軽自動車検査協会で行います。

廃車の手続きには、解体返納と解体届出の2種類があります。

解体返納は、使っている軽自動車を廃車する場合の手続きです。軽自動車を引き取った業者から、解体が完了した旨の報告を受けてから行います。

解体届出は、一時的に使用を中止していた軽自動車を廃車する場合の手続きです。解体返納と同様に、軽自動車を引き取った業者から、解体が完了した旨の報告を受けてから行います。

ナンバープレートの変更が必要な際の希望ナンバーの交付手続き

軽自動車のナンバープレート変更は軽自動車検査協会で行いますが、変更するときには希望ナンバーの交付も可能です。ナンバープレートに記載される4桁以下のアラビア数字部分に、希望するナンバーを選べます。

ただし、希望ナンバーへの変更は、ナンバープレートの変更が必要なときのみです。

(例)希望ナンバーを交付できる場面

  • 新規検査でナンバープレートの交付を受けるとき
  • 所轄変更をともなう名義変更や住所変更があったとき
  • 現在のナンバープレートが破損・汚損してナンバープレートの交付を受けるとき

いつでも好きなナンバーへ変更できるわけではないため、注意しましょう。

具体的な手続きの流れについては、このあとの「名義変更、希望ナンバー交付までの手続きの流れ」内で説明しています。

車検証および検査標章の再交付

軽自動車の車検証や車検標章の再交付が必要な場合も、軽自動車検査協会で手続きします。

現状の車検証や車検標章が提出できる状態であれば、必要な書類に添えて提出し、再交付を受けます。紛失していて提出できない状態のときは、書類に添えられなくても構いません。

名義変更、希望ナンバー交付までの手続きの流れ

軽自動車の譲渡や個人で売買した際は、名義を変更する手続きが必要です。名義を変更しないままでは、車検や廃車の手続きができません。

名義を変更する際は、手続きに必要な書類を準備します。名義が変わった際は15日以内に変更の手続きが必要であり、取得に時間のかかる書類も存在するため注意しましょう。

軽自動車の名義変更で必要な書類 手に入れる方法
以前の所有者の認印が押された申請依頼書(新たに使用する方が手続きする場合) 以前所有していた方から入手する
期限が切れていない車検証 以前所有していた方から入手する
ナンバープレート(管轄する地域が変わり、変更が必要な場合) 以前所有していた方から入手する
新たな所有者の住所を証明する書類(発行から3ヶ月以内のマイナンバーが記載されていない住民票など) 新たに所有する方が準備する
自動車検査証記入申請書(軽第1号様式) 新たに所有する方が準備する(軽自動車検査協会の窓口で当日に入手できる)
軽自動車税(車種割)申告書 新たに所有する方が準備する(軽自動車検査協会の窓口で当日に入手できる)
軽自動車税(環境性能割)申告書 新たに所有する方が準備する(軽自動車検査協会の窓口で当日に入手できる)
委任状(代理で手続きする場合) 新たに所有する方が準備する

また、軽自動車の名義を変更するときにナンバープレートも変更する場合は、希望ナンバーの交付もできます。希望ナンバーの交付には希望番号予約センターで発行される、予約済証が必要です。

あらかじめ、希望番号予約センターで予約済証を発行しましょう。希望ナンバーの交付は、予約済証に記載された番号標交付可能年月日以降、1ヶ月の有効期間内の手続きが必要です。

必要な書類がそろったら、軽自動車を使う地域を管轄する軽自動車検査協会で名義変更をします。軽自動車検査協会の窓口で印紙を購入して手数料を支払いましょう。申請書を作成して窓口に提出すると、名義変更された新しい車検証が交付されます。

名義変更をする際に自動車税や軽自動車税環境性能割の納付が必要な場合は、新しい車検証の交付とともに軽自動車検査協会で納付しましょう。

ナンバープレートを変更する場合は、軽自動車検査協会の窓口で古いナンバープレートと新しい車検証を渡すと、新しいナンバープレートが交付されます。希望ナンバーの交付を受ける場合は、あらかじめ発行した予約済証も提出しましょう。

継続検査(車検)の申請手数料

継続検査(車検)の際に必要な申請手数料は、限定自動車検査証や限定保安基準適合証の提出があるか・ないか、OSS申請をするか・しないかで異なります。

限定自動車検査証は、継続検査などの際に車が「道路運送車両の保安基準」に適合しなかった際に交付される書面です。限定自動車検査証が交付された車を指定整備工場で整備を行い、保安基準に適合することが証明されれば限定保安基準適合証が交付されます。

なお、OSS申請とは、自動車保有関係手続のワンストップサービスのことで、自動車を保有するために必要な手続きを一括してオンラインで行うことができる申請方法です。

申請の種類 手数料(内訳)
持込検査 1両につき2,200円(検査手数料1,800円+技術情報管理手数料400円)
限定自動車検査証の提出があり限定保安基準適合証の提出がない自動車の持込検査 1両につき1,800円(検査手数料1,400円+技術情報管理手数料400円)
保安基準適合証の提出がある自動車の検査(OSS申請) 1両につき1,600円(検査手数料1,200円+技術情報管理手数料400円)
保安基準適合証の提出がある自動車の検査(OSS申請を除く) 1両につき1,800円(検査手数料1,400円+技術情報管理手数料400円)
限定自動車検査証および限定保安基準適合証の提出がある自動車の検査 1両につき1,600円(検査手数料1,200円+技術情報管理手数料400円)

参照:軽自動車検査協会「継続検査(車検)」

手数料の内訳は検査手数料と技術情報管理手数料に分かれ、検査手数料の部分は状況によって変化します。

技術情報管理手数料は2021年10月から追加された法定手数料で、一律400円です。自動車の電子的な検査に必要な技術情報の管理や、軽自動車検査協会などが使う情報システムの運用に使われます。

継続検査(車検)の申請手数料に関しては、軽自動車検査協会のホームページ(https://www.keikenkyo.or.jp/inspection/inspection_000008.html)でもご確認いただけます。

車検の申し込み方法

軽自動車検査協会の検査場へ軽自動車を持ち込み、継続検査(車検)を受ける場合は、事前に予約が必要です。予約や予約の確認、取消は、軽自動車検査協会の「軽自動車検査予約システム(https://www.kei-reserve.jp/pc/index.html)」から行うことができます。

軽自動車検査予約システムの利用には、アカウント登録が必要です。初めて利用する場合はアカウント登録を済ませてからログインしましょう。

本記事の情報は2024年1月時点での内容です。

監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員