自分でも簡単に取れる?車庫証明の取り方と注意点を解説!

2023年10月20日

居住地から離れた場所にある車を購入したときや、知人や親せきから直接車を譲り受けたときには、車庫証明を自分で取らなければならないことがあります。車庫証明は車の保管場所を証明するためのもので、車の登録やナンバープレートの発行に必要な書類です。

本記事では、車庫証明を取得するための要件や必要書類、お手続きの流れについて解説します。

そもそも車庫証明とは?
いつ必要なもの?取得の条件は?

車庫証明とは

車庫証明の正式名称は「自動車保管場所証明書」といいます。この書類は車の保管場所、すなわち駐車場が存在していることを証明するためのものです。新車・中古車を問わず、車の使用者であれば必ず登録手続きを行う必要があります。

書類取得の手続きは、車の購入先であるディーラーや中古車販売店が代理人となって行ってくれるのが一般的です。

ただし、遠い地域にある車を購入したときには、車の販売店から自分で車庫証明を取るように言われることもあります。また、親類や知り合いから直接車を譲り受けたとき、引越しなどで車を保管する住所・車庫の変更があったときなども、手続きを自分で行わなければなりません。

ディーラーや中古車販売店などに車庫証明取得の代行を依頼すると、手続きにかかる費用以外に代行手数料がかかるため、節約のために自分で行う人もいます。

上記は普通乗用車の場合で、軽自動車は地域によっては車庫証明書が不要な代わりに保管場所届出手続を行うこととなっています。届出先は車庫の所在地を管轄する警察署です。 

車庫証明が必要なとき

普通自動車では、次のパターンのいずれかに当てはまる場合、車庫証明が必要になります。

  • 普通自動車(新車や中古車)を購入し使用者になるとき
  • 転居や所有者変更により保管場所が変わったとき

車庫証明取得の要件

車庫証明を取るためには、以下の5つの要件を満たす必要があります。要件を満たしていないと車庫証明が取れなくなってしまいますので、必ず確認しておきましょう。

  • 車の保管場所は、使用の本拠地から直線距離で2km以内であること
  • 車庫に通じる道が通行禁止ではないこと
  • 車庫に通じる道が幅員制限に抵触しないこと
  • 車全体が道路にはみ出さず収容できること
  • 他人の土地や建物を借りて保管場所にするときは、保管場所使用承諾証明書を用意すること

例えば、分譲マンションの駐車場や会社の社宅を保管場所にする場合、マンションの管理組合や会社に保管場所使用承諾証明書をもらってください。 また、アパートなど賃借物件付帯の駐車場、あるいは月極駐車場等を使用するのであれば、駐車場の使用が明記された賃貸借契約書の写しでも対応可能です。

なお、賃貸借契約書の写しがない場合は、駐車場使用料金の領収書等で対応できることがありますが、保管場所使用承諾証明書の要件を満たすものである必要があるため、最寄りの警察署に相談するのが良いでしょう。

軽自動車の場合

軽自動車の場合、前述したように地域によっては保管場所届出が必要となります。手続きについては普通自動車とほとんど変わりません。

車庫証明の取得手続きに
必要なものは?

車庫証明を取る際、下表の通り用意する申請書類がいくつかあります。

必要な書類 自己で所有している保管場所
(駐車場)の場合
他者から借りた保管場所
(駐車場)の場合
自動車保管場所証明申請書
保管場所標章交付申請書
自認書 ×
保管場所使用承諾証明書 ×
所在地・配置図

自動車の保管場所が、自己所有であるか借用かによって、必要な書類が異なります。分譲マンションの敷地内駐車場の場合、「他者から借りた」ものとして扱われます。

ここで、車庫証明の取得手続きに必要な書類について、詳しく見ていきましょう。

自動車保管場所証明申請書

車庫証明を取るための申請書です。

保管場所標章交付申請書

車庫証明を取った後、その証明として車に貼るステッカーを受け取るための申請書です。

自認書または保管場所使用承諾証明書

保管場所が自己所有地なら自認書、他人の所有地なら保管場所使用承諾証明書、駐車場賃貸契約書などが必要になります。賃貸アパートやマンションに住んでいる場合には、アパートやマンションの駐車場、もしくは他の契約駐車場が保管場所となりますので、管理者から必ず保管場所使用承諾証明書をもらいましょう。

所在図・配置図

保管場所が本拠地から2km以内であることを証明するため、保管場所を示すために必要になります。保管場所、周辺建物、道路などが表示されていれば、地図の写しでも大丈夫です。

そのほかに用意するもの

車庫証明の申請書など各種書類は警察署の窓口、または警察署のホームページから入手できます。書類以外では、印鑑と現金が必要です。手数料は都道府県によって異なりますが、おおよそ2,000円ほど用意しておきましょう。後日、保管場所標章が交付されたときにもまた500円ほどの手数料がかかります。

車庫証明を自分で取得しよう!
申請書提出から発行後の流れ

車庫証明を取るために必要なものが分かりました。ここからは、車庫証明を自分で取る際の流れについて解説します。

車庫証明の手続きは警察署で行う

車庫証明の手続きを行うのは警察署の窓口です。車庫証明を申請する警察署は、車庫の住所を管轄する警察署となる点に注意してください。もし、自宅から離れた場所(ただし直線で2km以内)の月極駐車場などを保管場所とする場合には、自宅と駐車場の住所が異なることもあるでしょう。その場合は車庫の住所を担当する警察署へ行き、車庫証明の申請書を提出します。車庫証明を発行してくれるのも警察署になります。運輸支局や自動車検査協会ではありません。

車庫証明の申請書類の書き方

車庫証明の手続きに必要な申請書類を用意し、記入してください。

警察署に出向いてその場で申請書類を記入しても構いませんが、あらかじめ警視庁のホームページでダウンロードして印刷しておき、自宅で記入しておくと安心です。

実際の書類の記入例を見て確認してください。

自動車保管場所証明申請書

自動車保管場所証明申請書は、保管場所標章交付申請書と複写式(※)となっていることが多いです。

ウェブサイトからダウンロードした場合は複写式ではありません

A・・・車のメーカーや型式、車台番号、自動車の大きさを記入します。

B・・・使用者の自宅と車庫(駐車場)の住所をそれぞれ記入します。

C・・・管轄の警察署名と申請者の情報を記入します。

D・・・車庫の所有者を選択します。自己単独所有の場合は自認書、その他(他人)の場合は使用承諾証明書または契約書の写し、共有の場合は共有者全員の使用承諾書の添付が必要です。

保管場所の所在図・配置図

車庫の位置を明記します。駐車場を借りるのであれば、駐車場内のどこに車を置くのか書き記してください。所在図では、周辺の施設などを目印に地図を描きます。インターネットで表示した地図をプリントアウトしたものに書き加えて添付する形式でもかまいません。

A・・・自宅と車庫(駐車場)の位置を記載し、直線距離も記入します。

B・・・車庫(駐車場)の大きさと出入り口、道路の幅員などを記入します。また、自分が使用する部分がわかるようにしておきます。自宅に隣接した場合は敷地の図を記載しましょう。

自認書または保管場所使用承諾証明書

自認書は自分で書きます。駐車場を利用している場合には、駐車場の管理者に書いてもらいましょう。下記は保管場所使用承諾証明書の記載例です。

A・・・保管場所の住所を記載します。

B・・・使用者の情報を記載します。

C・・・車庫(駐車場)の契約期間を記載します。

D・・・車庫(駐車場)の所有者または管理者の情報を記載し、押印してもらいます。

自認書の場合は専用書類に使用者の情報を記載し、押印する形です。

車庫証明が発行されたら

必要書類を提出すると、警察では申請内容が正しいかどうか実際に現地で確認を行います。そのため、車庫証明の発行には数日かかります。すぐに車庫証明が必要なのであれば、なるべく早い段階で申請を行いましょう。

受取日は申請した際に警察から伝えられますので、受取日になったら再び警察署へ足を運びましょう。納税通知書兼領収書を警察の窓口で提示し、標章交付手数料500円ほどを支払います。

手続きが完了すると、このようなステッカー(保管場所標章)と自動車保管場所証明書(車庫証明書)、保管場所標章番号通知書が渡されます。受け取った書類は車検証とともに保管し、ステッカーは車の後ろのガラスに貼付してください。車庫証明は車を登録する際に利用しますので、登録時には陸運支局や自動車検査登録事務所に提出しましょう。

車庫証明を取る際の注意点

車庫証明は、車の登録のためにも必要なものです。車を購入したときには、納車日が遅れてしまわないよう、取得するタイミングも大切になります。警察での車庫証明の手続きは、平日のみ、時間帯も午前9時から午後5時までとする警察がほとんどです。さらに、車庫証明が発行されるまでには数日かかります。金曜日に提出した場合には、土日を挟むことでさらに日数がかかるでしょう。

納車日を遅らせたくない場合には、購入の契約をしてからすぐに車庫証明を取りに行くようにしましょう。

平日の手続きが難しいのであれば、ディーラーや中古車販売店に代行してもらうことをお勧めします。代行手数料は実費を含めおおよそ1~2万円かかりますが、時間のロスなく、効率的に手続きを行えるでしょう。

本記事の情報は2023年9月末時点での内容です。

監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員