ナンバープレートには種類がある!
色や数字・ひらがなの意味を覚えておこう

2023年10月18日

道行く車のナンバープレートを見ていると、色や数字、文字に違いがあることがわかります。番号に意味があることは知っていても、ぼんやりとしか知らないという方も多いのではないでしょうか。

本記事を読めば、ナンバープレートの色や登録番号にある数字・ひらがなの意味を知ることができます。また、ナンバープレートを通して寄付を行う「図柄入りナンバープレート」についても紹介します。

ナンバープレート(自動車登録番号標、軽自動車の場合は車両番号標)は
どんな役割を持っている?

ナンバープレートの役割

まず、ナンバープレートが持つ役割について考えてみましょう。ナンバープレートは、一台一台の車を識別するためにつけられています。

例えば、犯罪があったときや事故、道路交通法の違反があったときには、ナンバープレートに表記されている登録番号から所有者を割り出せます。これによって、問題を迅速に解決することができるのです。

また、ナンバープレートは、公道を走るすべての車に必要で、取り付けは義務付けられています。万一、正式なナンバープレートを付けていない車が公道を走っていた場合には、法律違反を犯していることになってしまいます。

ナンバープレートは登録の証

ナンバープレートをつけられるのは、自動車検査(車検)を受け、保安基準に適合した車のみです。ナンバープレートを付けているということは、すなわち自動車登録を受けている車ということになります。

ナンバープレートは、登録時に自動車保管場所証明(車庫証明)を受け、自動車損害賠償責任保険(自賠責)に加入し、自動車に関連する各種税金を納付している証でもあります。

もちろん公道を走っている車にはナンバープレートがついていて当たり前のものではありますが、実は「登録時には車検を受け、自動車を所有するために必要な義務をすべて果たしている」ことが、ナンバープレートから読み取れるのです。

ナンバープレートの色や
数字・ひらがなの意味について

次に、ナンバープレートに記されている登録番号の数字やひらがな、プレートそのものの色の違いによる意味について見ていきましょう。ナンバープレートから読み取れる情報は複数あります。

ナンバープレートの色の種類と意味

ナンバープレートの色によって、自家用または事業用、そして普通自動車か軽自動車かを判別できます。 ナンバープレートの塗色と意味について、詳しく見てみましょう。

白地に緑の文字

白地に緑の文字のナンバープレートは、普通自動車の自家用車であることを示しています。

緑地に白の文字

緑地に白の文字のナンバープレートは、旅客や貨物運送業といった事業に使用する普通自動車に付けられます。

一見、自家用車に見える車でも、緑地に白のナンバープレートの場合には、運賃を受け取る代わりに人を乗せて走っている車である可能性があります。

黄色地に黒の文字

黄色地に黒の文字のナンバープレートであれば、軽自動車の自家用車です。

黒地に黄色の文字

黒字に黄色の文字の場合には、軽自動車の事業用車であることを示しています。

令和4年10月より、貨物運送事業において軽自動車の使用が解禁されました。 

その他

地方版図柄入りナンバープレートやオリンピック・パラリンピック・ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレートなど、本来白地ではないものが白地になるケースもあります。

ナンバープレートのサイズ

一見すると同じようなナンバープレートのサイズにも、実は違いがあります。横44cm、縦22cmの大型サイズは、車両総重量8t以上または最大積載量5t以上の普通貨物自動車、乗車定員30人以上の普通乗合自動車につけられるナンバープレートです。バイクと大型サイズのナンバーを取り付ける車以外の車につけられるナンバープレートのサイズは、横33cm、縦16.5cmとなっています。横23cm、縦12.5cmの小型サイズは、バイクなどに取り付けられます。

ナンバープレートの見方

さらに、ナンバープレートの数字や文字の見方についてご紹介します。

ナンバープレートの見方説明

地域名

品川、札幌などの地域名は、その車を登録した運輸支局、または自動車検査登録事務所を示しています。ご当地ナンバー導入により、運輸支局が複数のナンバーを扱っているケースもあります。

分類番号

地域名の右横にある数字は、車の種類を示しており、基本的に1~3桁の番号で表示されます。

下記の表は主な分類の一例です。

自動車の範囲 分類番号
普通貨物自動車 1、10〜19、100〜199、10A〜19Z、1A0〜1Z9および1AA〜1ZZ
普通乗合自動車 2、20〜29、200〜299、20A〜29Z、2A0〜2Z9および2AA〜2ZZ
普通乗用自動車 3、30〜39、300〜399、30A〜39Z、3A0〜3Z9および3AA〜3ZZ
小型貨物自動車 4、6、40〜49、60〜69、400〜499、600〜699、40A〜49Z、60A〜69Z、4A0〜4Z9、6A0〜6Z9、4AA〜4ZZ、および6AA〜6ZZ
小型乗用・乗合自動車 5、7、50〜59、70〜79、500〜599、700〜799、50A〜59Z、70A〜79Z、5A0〜5Z9、7A0〜7Z9、5AA〜5ZZ、および7AA〜7ZZ
特種用途自動車 8、80〜89、800〜899、80A〜89Z、8A0〜8Z9および8AA〜8ZZ
大型特殊自動車 9、90〜99、900〜999、90A〜99Z、9A0〜9Z9および9AA〜9ZZ
大型特殊自動車
(建設機械に該当するもの)
0、00〜09、000〜099、00A〜09Z、0A0〜0Z9および0AA〜0ZZ

上1桁で自動車の種別が分かれており、このほかには8が特種用途自動車、9が大型特殊自動車といった区分けがされています。軽自動車の場合は5と7が乗用です。

現在は後述する希望番号制度の導入に伴って分類番号がすべて使われてしまう状況も発生しているため、例えば「品川30A」といった形でローマ字も導入されはじめています。

ひらがな

4桁の数字の左横にあるひらがなにも、実は意味があります。自家用車は、「さすせそたちつてとなにぬねのはひふほまみむめもやゆらりるろ」のいずれか、「わ」と「れ」はレンタカーであることを示します。

一連指定番号

車を購入する際、販売店から「ナンバープレートのナンバーを自分で指定しますか?」と聞かれたことがある方も多いでしょう。ナンバープレートにある4桁の番号は、自分で数字を指定することもできます。これを希望番号制度といいます。ただし、希望番号を指定する際には別途手数料が発生し、通常よりも交付に時間がかかります。指定の際の手数料や交付までの日数については、管轄の運輸支局に確認しましょう。

軽自動車の場合

軽自動車の場合、地名はその車が登録された自動車検査登録事務所の場所等を示しています。地名の横の数字は、貨物だと4を先頭にした数字、乗用は5を先頭にした数字、特種用途自動車は8を先頭にした数字になります。

4桁の番号左横のひらがなは、レンタカーだと「わ」、事業用が「り」「れ」、それ以外のひらがなは自家用車です。軽自動車も同様に、4桁の一連指定番号は自分で指定することができます。

珍しい!特殊なナンバープレート

あまり見かけない、ちょっと変わったナンバープレートも存在しています。例えば、プレートに赤い斜線がひかれたナンバーを見たことはありませんか?これは、臨時運行許可番号票といわれるもので、車検が切れた車を車検場に回送するときなど、例外的に公道の運行を認められた車の証として付けられます。

また、外務省が交付するナンバープレートは外交団用ナンバープレートと呼ばれ、日本に駐在している外交官の車両につけられます。このナンバープレートの場合、青地に白文字で、普通自動車であればひらがなが書かれている部分に、「外」「〇外」「領」「代」という文字が入れられています。

自衛隊用の車両には自衛隊法が適用され、ナンバープレートには「00-0000」といったように6桁の数字が書かれています。

道路を走るナンバープレートを眺めているだけでも、車に関する情報がここまでわかるのです。

ナンバープレートが違反の対象になることも!

ナンバープレートの装着は、法律によって義務付けられています。そのため、間違った方法で装着していると、違反の対象となってしまうことがあります。

普通自動車のナンバープレートには封印が施されており、ナンバープレートを無理に外そうとすると封印が壊れてしまいます。封印がなくなっている、破損している状態での走行は違反です。

また、ナンバープレートに取り付けるカバーやプレートへのステッカーの貼り付け、角度の変更も違反の対象となります。ナンバープレートへのカバーは、透明のものであっても違反になりますので、取り付けないように注意しましょう。違反すると、50万円以下の罰金が科せられます。ただし、ディーラーなどで車のオプションとして販売されているナンバープレートのフレームは使用可能です。

デザインが楽しい図柄入りご当地ナンバーもある

現在では、地域の特色をナンバープレートの図柄で表す「ご当地ナンバー」も盛んに作られています。これは2017年4月から導入されたもので、ナンバープレートの背景に、その地域ならではのイラストが描かれています。

東京ではオリンピック仕様のナンバー、山形はサクランボ、山梨や静岡では富士山ナンバー、福井は恐竜、大分は温泉、鹿児島は火山など、地域の特産品や特徴をナンバープレートでPRできる仕組みです。

こちらは2018年10月から交付が始まっています。地方版図柄ナンバーの交付には、別途手数料がかかります。地域によって差はありますが、8,000円前後であることが多いようです。

このように、ナンバープレートからはさまざまな情報が読み取れます。

寄付金でカラーデザインに

交付料金に加え、1,000円以上の寄付を行うと、フルカラー版の図柄入りナンバープレートを選べます。 

寄付金の目的は、「安全・安心で楽しいお出かけを通じて日本を元気にする取り組み」の支援です。バリアフリー化や観光地の環境整備、カーボンニュートラルの推進などに活用されます。

なお、ナンバープレートの枠に関して、事業用登録車は緑色、自家用軽自動車は黄色に塗色して区分が明確化されます。

本記事の情報は2019年3月末日時点での内容です。

監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績は2,500本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員